帰命頂礼(読み)キミョウチョウライ

デジタル大辞泉 「帰命頂礼」の意味・読み・例文・類語

きみょう‐ちょうらい〔キミヤウチヤウライ〕【帰命頂礼】

頭を地につけて仏を礼拝し、帰依の気持ちを表すこと。
仏を礼拝するときに唱える言葉

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精選版 日本国語大辞典 「帰命頂礼」の意味・読み・例文・類語

きみょう‐ちょうらいキミャウチャウライ【帰命頂礼】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( ━する ) =きみょうけいしゅ(帰命稽首)
    1. [初出の実例]「帰命頂礼大唐国、天台大師は能化の主」(出典:天台大師和讚(10C後‐11C前))
    2. 「手を額に当てて帰命頂礼するほどに」(出典:十訓抄(1252)一)
    3. [その他の文献]〔大日経疏‐一二〕
  3. ( 形動 ) ( 「奇妙」と「帰命」と同音であるところから ) 奇妙の意にしゃれていう。
    1. [初出の実例]「摩利支天の奇端を見せしめ給へ。奇妙頂来奇妙頂来」(出典:歌舞伎・御摂勧進帳(1773)二番目)

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四字熟語を知る辞典 「帰命頂礼」の解説

帰命頂礼

仏に帰依し頭を地につけて拝すること。仏に対し心からのまことを示すこと。また、多く、神仏に対する唱え文句として用いられる。

[活用] ―する。

[解説] 「帰命」は、仏の教えに帰依し、命をささげて仏に従うこと。「頂礼」は相手の足に額をあてる辞儀のこと。

[類語] みょうけいしゅ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「帰命頂礼」の意味・わかりやすい解説

帰命頂礼
きみょうちょうらい

仏・菩薩(ぼさつ)に帰依(きえ)すること。帰命とは仏・菩薩に自ら身命をもって帰依するとか、仏・菩薩の命令に従うことなどを意味している。頂礼とは仏・菩薩の足を自らの頂上に頂き、礼拝(らいはい)、帰依するという意味である。このため、帰命頂礼とは仏・菩薩に対する特別に深い礼拝、帰依ということを意味している。また、帰命とは仏・菩薩に対する心の方面からの礼拝であり、頂礼とは身の方面からの礼拝であるともいわれている。

[由木義文]

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世界大百科事典(旧版)内の帰命頂礼の言及

【帰命】より

…サンスクリットのnamasを漢文仏典では帰命とも南無(なむ)とも訳しており,この両語は同じく〈頭を下げ敬意を示すこと〉,帰依(きえ)を意味している。したがって〈帰命頂礼(きみようちようらい)〉(額(ひたい)を地上につけて最敬礼すること)のように身体の動作と,〈至心帰命(ししんきみよう)〉(心中でひたすら帰依すること)の両面をふくんでいる。しかし,中国や日本の仏教においては帰と命にそれぞれ独立の意味を与えて,帰は〈かえる,したがう〉などの意に,命は〈寿命,教命(きようみよう)〉などの意に解釈し,〈仏の教命(教え)にしたがうこと〉〈人間の寿命のよって起こる根源にたちかえること〉〈命をささげて信ずること〉など,各宗派においてさまざまな解釈がなされている。…

※「帰命頂礼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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