デジタル大辞泉 「干す」の意味・読み・例文・類語 ほ・す【干す/▽乾す】 [動サ五(四)]1 水分・湿気を取り除くために、日光・風・火気などにあてる。かわかす。「洗濯物を―・す」「布団を―・す」2 中の水を全部除いてからにする。「井戸を―・す」「池を―・す」3 残ることなく飲みつくす。「杯を―・す」4 故意に仕事や役割を与えないでほうっておく。また、無視する。「役を―・される」5 涙をかわかす。泣くのをやめる。「うち語らひつつ、―・す世もなくて過ぐし給ふに」〈源・椎本〉6 飲食をしないで腹の中をからにする。「腹ヲ―・ス」〈日葡〉[可能]ほせる[類語]脱水・水切り・乾燥・乾かす・乾く 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「干す」の意味・読み・例文・類語 ほ・す【干・乾】 〘 他動詞 サ行五(四) 〙① 水分、湿気などを取り除くために、日光や火にあてる。濡れたものなどをかわかすために、風や熱などにさらす。[初出の実例]「ぬばたまの妹が保須(ホス)べくあらなくにわが衣手を濡れていかにせむ」(出典:万葉集(8C後)一五・三七一二)② 涙をかわかす。泣くことをやめる。[初出の実例]「ほす世もなくて過ぐし給に」(出典:源氏物語(1001‐14頃)椎本)③ 中をかわかすために、水などをすっかり取り除いたり、または入れないでおいたりして、からにする。「池の水をほす」④ すっかり飲みつくす。[初出の実例]「その盃を、五郎三度ほしておきければ」(出典:曾我物語(南北朝頃)七)⑤ 飲食をしないで腹の中をからにする。また、飲食物を与えないでほっておく。[初出の実例]「只今はほさせまほしくぞある」(出典:落窪物語(10C後)二)⑥ 物音などをすっかりなくす。[初出の実例]「やれ其のをとほせ、静れ、声な出しそ也」(出典:報恩録(1474)下)⑦ 人に故意に仕事や役割などを与えないでほっておく。相手にしないで無視する。[初出の実例]「彼はしばらく休息せよという形でホサれていた」(出典:白く塗りたる墓(1970)〈高橋和巳〉一) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例