平塚武二(読み)ヒラツカ タケジ

20世紀日本人名事典 「平塚武二」の解説

平塚 武二
ヒラツカ タケジ

昭和期の児童文学作家



生年
明治37(1904)年7月24日

没年
昭和46(1971)年3月1日

出生地
神奈川県横浜市中区末吉町

学歴〔年〕
青山学院高等部英文科〔昭和2年〕卒

経歴
松永延造の知遇を得て創作の手ほどきをうけ、昭和4年赤い鳥社に入社。「赤い鳥」に童話を書き始めたが同誌の廃刊で一時逼塞、17年「風と花びら」を上梓して童話作家としての地歩を確立した。戦後は「太陽よりも月よりも」など無国籍童話と呼ばれた風刺的な童話を書く一方、「玉むしのずしの物語」など唯美主義的な童話にも才能を示した。また児童文学界の奇人として知られた。小川未明坪田譲治から現代児童文学が台頭するまでの狭間に活躍した地味だがすぐれた童話作家の一人。「平塚武二童話全集」(全6巻)がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「平塚武二」の意味・わかりやすい解説

平塚武二
ひらつかたけじ
(1904―1971)

児童文学者。横浜市に生まれる。青山学院高等部卒業。1929年(昭和4)鈴木三重吉(みえきち)の紹介で赤い鳥社に入社。『赤い鳥』に『魔法テーブル』『Q』などを発表。42年最初の童話集『風と花びら』を出版。第二次世界大戦後は奔放な空想と良質の風刺を駆使した『ウイザード博士』などの幼年童話を発表。『太陽よりも月よりも』『馬ぬすびと』などの歴史小説は高く評価されている。

[松田司郎]

『『平塚武二童話全集』全六巻(1972・童心社)』『小西正保著『平塚武二論』(『日本の児童文学作家3』所収・1974・明治書院)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「平塚武二」の解説

平塚武二 ひらつか-たけじ

1904-1971 昭和時代の児童文学作家。
明治37年7月24日生まれ。雑誌「赤い鳥」の編集にたずさわる。昭和17年童話集「風と花びら」を出版。戦後は空想と風刺にあふれた「ウイザード博士」などの童話をかいた。昭和46年3月1日死去。66歳。神奈川県出身。青山学院高等部卒。作品ほかに「太陽よりも月よりも」「玉虫のずしの物語」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「平塚武二」の解説

平塚 武二 (ひらつか たけじ)

生年月日:1904年7月24日
昭和時代の児童文学作家
1971年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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