苗床(温床・冷床)で用いる土壌。温床や冷床はその深さに制限があり,根は限られた範囲にしか伸長しないので,苗の生育は床土の良否によって大きく左右される。すぐれた床土とは,病虫害のおそれがなく,通気性がよく,水分を十分に保持することのできる土壌で,移植の際に根から落ちにくいことも必要である。こうした条件を備えた床土は,普通,無病の土壌と有機物(落葉やわらなど)および肥料を交互に堆積し,数回切り返し,有機物を十分に発酵,分解させて作る。しかし,このような方法では熟成に長期間かかるので,近年では前もって堆積せず,使用直前に土壌に腐葉土と肥料を混和したものを速成床土として利用する場合も多い。
執筆者:杉山 信男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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