座上(読み)ザジョウ

デジタル大辞泉 「座上」の意味・読み・例文・類語

ざ‐じょう〔‐ジヤウ〕【座上/×坐上】

《古くは「ざしょう」》
集まっている席上。
上席上座かみざ。じょうざ。
大臣おとどは舎弟宗盛卿の―に着き給ふ」〈平家・二〉

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精選版 日本国語大辞典 「座上」の意味・読み・例文・類語

ざ‐じょう‥ジャウ【座上・坐上】

  1. 〘 名詞 〙 ( 古くは「ざしょう」 )
  2. ( ━する ) 上席の座。上席。上座(かみざ)。また、上席にすわること。
    1. [初出の実例]「其後座上にけだかげなる宿老の在ましけるが」(出典:平家物語(13C前)五)
    2. 「いやいやあれは他門にて、以前より座上す」(出典:幸若・夜討曾我(室町末‐近世初))
    3. [その他の文献]〔史記‐灌夫伝〕
  3. 座席の上。人々が多く集まっている席上。集まりの場。
    1. [初出の実例]「一聞焼尾手下響、三峡流泉坐上知」(出典:文華秀麗集(818)下・山亭聴琴〈良岑安世〉)
    2. 「坐上(ザジャウ)諸君は定めて私しと同様に色を好む御方にて」(出典花間鶯(1887‐88)〈末広鉄腸〉上)
    3. [その他の文献]〔史記‐項羽本紀〕

くら‐がみ【座上】

  1. 〘 名詞 〙 一座の中で、上(かみ)の方にある席。また、その席の人。かみくら。⇔座尻(くらじり)
    1. [初出の実例]「自(みつか)座長(クラカミ)に対かひて曰さく」(出典:日本書紀(720)允恭七年一二月(図書寮本訓))

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普及版 字通 「座上」の読み・字形・画数・意味

【坐上】ざじよう(じやう)

坐席。席上。〔後漢書、孔融伝〕性、容にして忌少なし。士を好み、後を誘することを喜ぶ。閑くにび、客日に其の門に盈つ。常にじて曰く、坐上に客恆(つね)に滿ち、中に酒しからざれば、吾(わわ)憂ひ無しと。

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【座上】ざじよう(じやう)

座中の人。唐・岑参酒泉太守席上、酔後の作〕詩 酒泉の太守、能く劍す 高堂、置酒して、夜鼓つ 胡笳(こか)一曲、人の腸を斷つ 座上相ひ看て、雨の如し

字通「座」の項目を見る

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