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ミャンマー(旧ビルマ)土着の民間信仰における一種の精霊。ビルマ語発音は〈ナッ〉。アニミズム的精霊崇拝に基づくもので,樹の精や地霊など没個性的なものから,村や財産を守護する死霊,さらには独立した人格をもつものまである。ナットは不幸や病気をひき起こす力をもつとして恐れられ,慰撫のため供物や祈りが捧げられる。祭式執行者や巫女も存在し,ミャンマーの諸民族間で仏教とともに信仰されている。多くの家庭では家の守護神として赤い布をかぶせたココヤシの実がまつられるが,それは同時にポパ山(ミャンマー中部,ミンジャン平原にある)の鎮護国家的霊マハーギーリ・ナッの神体ともみなされている。シュウェピン兄弟・ナッやダビンシュウェティー・ナッなど非業の死を遂げた歴史上の人物の死霊を源とする37のナットの系列のほかに,帝釈天の転化であるタジャーミンなど,ヒンドゥー系や仏教系の神々もナットとしてまつられる。またウ・ミンジョウなど,ほとんどのビルマ人に知られているナットのほかに,特定の地域のみで信仰されているものもある。
執筆者:池田 正隆
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
一般に締め付け用としてもっとも多く用いられているボルトの雄(お)ねじと組み合わせて使用される部品で、重要な機械要素の一つ。普通、外形は六角形のものが多いが、四角形その他の異形品もある。ナットの内側に雌(め)ねじが切ってある。上面に回り止め用の割りピンの入る溝の切ったものを溝付きナット、翼形のつまみのついているものを蝶(ちょう)ナットという。また、袋ナットといってねじ穴が貫通していないものもある。ボルトと同様、種類と呼び径の組合せに対応して、等級A、B、Cが定められている。
[中山秀太郎・清水伸二]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…日本各地で見られるキツネツキ,ヤコツキ,オサキツキなどは,動物霊憑依の例である。日本の霊魂・精霊に相当する霊的存在に,タイのピーphi,pii,ミャンマーのナットnat,インドネシアのアニートanito,マレーシアのハントゥhantuなどがある。これら霊的存在は民衆の宗教生活の主要部分に深くかかわり,畏敬・畏怖の対象とされていることが多い。…
…つりボルトともいう。
【ナットnut】
おねじであるボルトと1組になって機械部品や構造物の締結に用いられるめねじ部品。 六角ナット六角柱状の部品で,中心部の穴にめねじが切ってある。…
…カサスゲのように果皮が薄く種皮と離れているものを胞果utricule,イネのように果皮と種皮が合着しているものを穎果(えいか)caryopsisと呼ぶ。堅果(けんか)nutはクリ,ドングリ類,ハシバミのように比較的大型の堅い果皮をもつ実であるブナ科の堅果の基部にある椀状体(クリのいが,ドングリ類の皿)を殻斗(かくと)と呼ぶ。分離果schizocarpは一つの実に複数の種子が入っているが,それぞれは分離して,分果mericarpをなす。…
…螺子(らしとも読む),捻子,捩子などの字があてられ,スクリューということもある。 ねじはあらゆる分野で大量に使用されており,その用途は,機械や構造物の部分どうしを強固に結合するための締結用(ボルト,ナット,木ねじなど),回転運動を直線運動に変換する運動用(工作機械の送りねじ,親ねじなど),微細な位置決め(デバイダーやコンパスの開きの調節など),微小寸法の拡大・指示(マイクロメーターのスピンドルなど),大きな力を発生させる倍力用(ジャッキ,万力など)に大別される。 現在行われているねじの製造法は切削を利用したものと塑性加工を応用したものに大別できる。…
※「ナット」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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