20世紀日本人名事典 「式守蝸牛」の解説
式守 蝸牛(7代目)
シキモリ カギュウ
- 生年
- 明治8年9月29日(1875年)
- 没年
- 昭和21(1946)年4月1日
- 出生地
- 東京・亀戸
- 本名
- 武守 宣利
- 別名
- 幼名=静雄,俳号=五楓,蘿装庵
- 経歴
- 生家は、行司の初代式守伊之助に始まる亀戸の素封家で、家業は相撲膏の製造販売。茶人であり御家流香道の家元。日本相撲協会相談役も務めた。4歳の時、7代目蝸牛を襲名。父の不爭(4代目蝸牛)は、川上宗寿に学んだ茶人で、蝸牛はこの父と大久保北隠について茶を学んだ。13歳で表千家流の皆伝を受け、自らは表千家と称したが、川上不白の流れをくむ江戸前の茶の湯だった。また香は都築成幸に学んだ権威で、外国使臣の接待や皇族との応接などに当たった。他に俳諧も若くして習い、大和絵風の絵画にも優れ、謡曲、一中節をたしなむなど、幅広い趣味人の代表でもある。茶器の鑑識で塩原又策と親しく、松永耳庵ら多くの数寄者を指導し、周辺には歌人伊藤左千夫、国文学者川瀬一馬らがいる。3周忌に追悼文集「楓の昔」(昭和23年)が上梓されている。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報