検察が不起訴にした事件でも、市民が構成する検察審査会の議決に基づき刑事裁判が開かれる制度。司法に市民感覚を反映させる目的で2009年、裁判員制度とともに導入された。くじで選ばれた有権者11人のうち、8人以上の多数決で「起訴相当」と議決すると検察が再捜査する。改めて不起訴となっても、再び同様の多数決で「起訴すべきだ」と議決すると、裁判所が指定した検察官役の弁護士が起訴する。最高裁によると、今月12日時点で強制起訴による有罪確定は2人。
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検察が不起訴と結論づけた事件に対し、市民の判断で起訴しうる仕組み。検察が不起訴処分とした被疑者に対し、一般人で構成する検察審査会が二度にわたって「起訴すべきだ」(「起訴相当」)と議決した場合、強制的に起訴できる。1948年(昭和23)の検察審査会発足以来、その議決に法的拘束力はなかったが、市民感覚を反映させる司法改革の一環として検察審査会法が改正され、2009年(平成21)5月から検察審査会の議決に拘束力が生じる制度に変わった。制度変更以降では2010年4月に、明石(あかし)花火大会歩道橋事故で書類送検されながら不起訴となった明石署副署長が初めて強制起訴された。同事件では検察審査会は三度にわたって「起訴すべきだ」と議決していたが、同法改正前だったので起訴されていなかった。このほかJR福知山線脱線事故(被疑者はJR西日本の歴代3社長)や尖閣(せんかく)諸島中国漁船衝突事件(被疑者は中国人船長)などに適用されている。2011年1月には資金管理団体の陸山会をめぐる政治資金規正法違反事件で小沢一郎・元民主党代表が国会議員で初めて強制起訴された。
ただ、2012年4月、東京地方裁判所は一審判決で、小沢一郎・元民主党代表に無罪判決を下した。このため一部法曹界関係者から、起訴に一般国民の判断を加える強制起訴制度の見直しを求める意見も出ている。
[編集部]
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