デジタル大辞泉 「後言」の意味・読み・例文・類語 こう‐げん【後言】 1 当人のいないところで言う悪口。かげごと。かげぐち。「面従後言」2 物事が終わったあとで、異議や不服などを言うこと。「これは何の―を言はせ申し候ふぞ」〈古活字本平治・下〉 しりゅう‐ごと〔しりう‐〕【▽後言】 《「しりえ(後方)ごと」の音変化》その人のいない所でうわさをすること。陰口。しりうごと。「折々聞こえさせ給ふなる御―をも、喜び聞こえ給ふめる」〈源・蜻蛉〉 のち‐ごと【後言】 死に際の言葉。この世に言いのこす言葉。遺言。「余り強く投げられて、―もせず死ににけり」〈盛衰記・四二〉 しりう‐ごと【▽後言】 ⇒しりゅうごと 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「後言」の意味・読み・例文・類語 こう‐げん【後言】 〘 名詞 〙① 物事が終わった後に、あれこれ言うこと。[初出の実例]「これは、何の後言を言はせ申し候ふぞ」(出典:平治物語(1220頃か)下)② かげぐち。かげごと。[初出の実例]「士不レ可三面従退有二後言一」(出典:垂加文集(1714‐24)三)[その他の文献]〔書経‐益稷謨〕 しりゅう‐ごとしりう‥【後言】 〘 名詞 〙 当人のいないところで、その人のうわさをしたり悪口をいったりすること。かげぐち。しりごと。[初出の実例]「まだおろしの御衣一つ賜はらず。なにか、しりうごとには聞えんなどのたまふがをかしければ」(出典:枕草子(10C終)二七八)「何曾が晉の政のおごれるを諫ずして、家にかへりてしりうごとしける」(出典:十訓抄(1252)六) うしろ‐ごと【後言】 〘 名詞 〙① 過去の繰り言。愚痴。[初出の実例]「何と殿はうしろ事(ゴト)をばし給ふらむ」(出典:金刀比羅本平治(1220頃か)下)② 陰で悪口をいうこと。また、その言葉。陰口。しりうごと。〔文明本節用集(室町中)〕 のち‐ごと【後言】 〘 名詞 〙 死後のために言いのこすことば。ゆいごん。[初出の実例]「児(こ)等に遺言(ノチコト)して曰はく」(出典:日本書紀(720)天智三年一〇月(北野本訓)) しり‐ごと【後言】 〘 名詞 〙 =しりゅうごと(後言)[初出の実例]「しりごとうしろごとがきたないぞ」(出典:京大二十冊本毛詩抄(1535頃)一二) しりう‐ごと【後言】 〘 名詞 〙 ⇒しりゅうごと(後言) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例