御職(読み)オショク

デジタル大辞泉 「御職」の意味・読み・例文・類語

お‐しょく【御職】

同類の中で最高のもの。随一
「ここの店の―はバクライという献立で」〈万太郎市井人
仲間うちでかしらだった人。
「―だけ一つ目のあるとこに住み」〈柳多留・二二〉
遊女屋で、上位遊女初めは江戸吉原遊郭だけでの名。御職女郎
「この吉田屋の―にて」〈洒・錦之裏

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精選版 日本国語大辞典 「御職」の意味・読み・例文・類語

お‐しょく【御職】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「お」は接頭語 )
  2. 同列の仲間うちで、頭(かしら)に立つ人。
    1. [初出の実例]「扨此正吉殿はをしょくくらゐの人立なれば」(出典:慶長見聞集(1614)二)
  3. 江戸時代、吉原遊郭で、それぞれの娼家における一番の売れっこの遊女。御職女郎。
    1. [初出の実例]「おしたてなら、みめかたち、あっぱれお職といっても、たれか点の打人(うちて)もあるまい」(出典:洒落本・太平楽巻物(1782))
  4. 盲官職の最上位である検校(けんぎょう)の首座にある人。江戸時代、江戸の総検校が関東の盲人を支配したのに対し、京都に住んで、関西の盲人を支配した検校のこと。元祿一六八八‐一七〇四)の頃、杉山総検校が江戸に出てからこの称ができた。総検校。総録検校。御職検校。
    1. [初出の実例]「撿挍に一臈二臈と次第して至十臈有。是を臈内と云。御職と云は一臈の事也」(出典:瞽官紀談(1692)中)
  5. 転じて、主たるもの。最高のもの。ナンバーワン
    1. [初出の実例]「桜草をお職(ショク)にした草花の泥鉢」(出典:日本橋(1914)〈泉鏡花二八)

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