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地震計 じしんけいseismograph

翻訳|seismograph

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

地震計
じしんけい
seismograph

地震による地面振動地震動)を計測する装置。振り子と地面との相対運動量の時間変化を記録し,それに基づいて地震の到着時刻や発生場所(震源),深さ,規模(マグニチュード)などを計算する。地震動の周期や振幅はきわめて広範囲であり,1台ですべてを記録するのは困難なため,通常は水平動地震計 2台と上下動地震計 1台を 1組として,地面の上下動と水平動を分けて記録する。1880年代,イギリスの物理学者ジェームズ・アルフレッド・ユーイング地震学者ジョン・ミルンらが日本で地震を調査し始め「ミルン水平振子地震計」などを考案し,急速に発達した。長周期地震計,短周期地震計,高倍率地震計,低倍率地震計,強震計広帯域地震計海底地震計などがある。

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知恵蔵の解説

地震計

地震動を時刻の信号と共に記録する装置。正確には記録されるのは地震動そのものではなく、地震動に伴う振り子と地面の相対運動。その記録から、地震動の必要な要素を算出。

(阿部勝征 東京大学教授 / 2007年)

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デジタル大辞泉の解説

じしん‐けい〔ヂシン‐〕【地震計】

地震による地表の振動を記録する器械。振り子を用い、地面の動きに対する相対運動を記録するもの。

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百科事典マイペディアの解説

地震計【じしんけい】

地震動を計測する器械の総称。地震計の原理は,あらかじめその固有振動のわかっている振動系(倒立振子水平振子,ばね振子など)と土地の動きとの相対的関係を記録し,この記録によって土地自体の動きを知ろうとするもの。
→関連項目地震地震観測地殻変動

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世界大百科事典 第2版の解説

じしんけい【地震計 seismometer】

地震動を記録するための計器。地震の際には地上の物が動くため何らかの方法で動かない点をつくり,その点に対する地面の動きを記録することが必要であり,このために振子を利用している。地震動は同時に上下・前後・左右に動くのでそれに応じて水平および上下方向の地動を計るための地震計が必要となる。実際の地震観測では上下,東西,南北の3成分に分けて記録するのが普通である。
[水平動]
 図のaのような左右に振れる振子を考える。

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大辞林 第三版の解説

じしんけい【地震計】

設置された場所の振動を記録する装置。振り子を用いて、水平動および上下動に対する不動点をつくり、地面の揺れを記録する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

地震計
じしんけい

地震による地面の振動を記録する計測器。振り子のように地面の揺れと異なる振動をするものと地面との間の相対運動を計ることによって、地面の動きを記録する。
 世界初の地震計は130年ころに後漢(ごかん)(中国)の張衡(ちょうこう)がつくった地動儀といわれているが、これは現物も絵も残っていないために、その形や詳細は知られていない。この地動儀をはじめ、日本などでもつくられた初期の地震計は、いずれも地震があったかどうかを感じるための感震器にすぎず、地面の動きを正確に記録するものではなかった。地面の動きを正確に知ることができる近代的な地震計としては、19世紀の末に日本のお雇い外国人教師であったJ・A・ユーイングらが日本でつくったものが最初で、その後、より正確で感度の高い記録を求めて、日本や外国で改良が重ねられた。
 1889年(明治22)には、熊本でおきたマグニチュード6.3の地震がドイツのポツダムで記録され、地球の反対側にまで地震の波が届くことがわかるなど、地球の内部を調べる科学にとって有用な観測器として認められるようになった。
 地震計の方式としては、初期のころは、感度を上げるために機械的な拡大機構のついた機械式地震計が使われていた。しかし倍率には限りがあった。その後、地震計センサーの動きを光学的に拡大する(地震で揺れる光のビームを暗室で印画紙に記録する)光学式地震計になって地震計の倍率は高まった。さらに1950年ころからは、地震計センサーの動きを電気信号に変換し、それを電気的に増幅して記録する電子式地震計にかわってきたので、倍率は10万倍以上にも達した。
 これらの改良によって、地震計はさらに高感度で、より広い周波数の範囲の記録がとれるようになった。しかし地震の大きさは特大級のものからごく小さなものまであり、地震の震源が出す地震波の周波数も、高いものは1000ヘルツ以上から低いものはミリヘルツ以下(数十分から数時間に1回の揺れ)までと幅広いので、一つの地震計ですべての地震観測をカバーするのは現在でも不可能である。このため地震観測の目的に応じたいろいろな地震計が使い分けられている。
 これら地震計の発達は、いわば聴診器として地球の内部を探るために役だってきたほか、微小地震(人間には感じられないごく小さい地震)、地球全体が釣鐘のように振動する自由振動、身体に感じたり建築物を壊したりはしないがごくゆっくり揺れる大地震であるサイレント地震などの発見にも貢献している。また標準的な地震計による世界的な広帯域観測網や、気象庁や各大学による全日本的な地震観測網、多くの地震計を狭い範囲に集中的に配置して地下核爆発など特定地震を探知する能力を高める群列地震観測網など、科学研究用、防災業務用、国際政治用の地震観測網が世界各地に展開されている。
 さらに1960年代末から、海底地震計や月震計など、それまでは観測できなかった場所で地震を観測するための地震計がつくられた。海底地震計は、1960年代以来展開されたプレートテクトニクス仮説でプレートが生まれたり消滅したりする場である海底が脚光を浴びたために、研究用としてつくられたものである。世界各国で激しい開発競争が行われたが、技術的な困難さから1970年(昭和45)ごろに日本のグループによって開発されたもののほかは、世界でもわずか二、三のグループのものしか実用化されなかった。
 このほか、海底ケーブルを使って海底に半永久的に設置するオンラインの業務用海底地震計が、気象庁などによって1979年以来日本近海に置かれていて、東北地方太平洋沖地震(2011)以来、さらに数が増やされている。これら新型の海底ケーブル式海底地震計は、海底津波計も同時に備えている。日本の地震の85%は海底でおき、しかもマグニチュード8を超える大地震はすべて海底でおきているため、日本での海底地震観測は研究用、業務用ともに非常に重要である。
 阪神・淡路大震災(1995)以来、日本国内の地震計は大幅に増やされて1000点を超えるまでになった。増やされたうちの多くは強震計strong motion seismographといわれるもので、地震計としての感度は高くないが大きな地震の記録も振り切れないで記録できる。この強震計の記録から、重力の加速度(980ガル)をはるかに超える地震がいくつも記録されるようになった。なかには重力の加速度の4倍を記録した地震(岩手・宮城内陸地震、2008年、マグニチュード7.2)もある。それまでは、このような大きな加速度が地震で記録されることは知られていなかった。
 月震計はアメリカでつくられ、1960年代のアポロ計画によって月の内部構造の研究などに活躍したが、ロケットで運べる小型の地震計はさらにほかの惑星の探査にも使われようとしている。[島村英紀]
『島村英紀著『地震学がよくわかる――誰も知らない地球のドラマ』(2002・彰国社)』

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世界大百科事典内の地震計の言及

【地震学】より

…地震に関する諸現象を研究する学問。地震に関する哲学的考察は古くはギリシア・ローマ時代にさかのぼるが,自然科学としての地震学が芽ばえたのは1880年ころに地震動を正確に記録する地震計が発明されてからである。発明者は日本の明治新政府の御雇教師として来日していたイギリスの物理学者J.A.ユーイングである。…

【地動儀】より

…正しくは候風地動儀といい,中国の後漢の張衡が132年(陽嘉1)に考案した世界最古の地震計。銅製で,外形は酒がめに似ており,直径は8尺(1尺=23cm),8方向に突起した竜口は球をくわえ,地震が起きると起こった方向にあたる球がその下で口を開けて上を向いたヒキガエル(蟾蜍)の口のなかに落ち,大きな音を発するようになっていた。…

※「地震計」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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