志水甚五(読み)しみず じんご

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「志水甚五」の解説

志水甚五(初代) しみず-じんご

?-1675 江戸時代前期の装剣金工。
寛永9年豊前(ぶぜん)小倉藩(福岡県)前藩主細川忠興(ただおき)にしたがい,伯父平田彦三とともに中津から肥後(熊本県)八代(やつしろ)にうつる。伯父にまなび,鷲(わし),竜などを真鍮(しんちゅう)で肉厚に象眼する厚手の鉄鐔(つば)をつくる。延宝3年5月死去。名は一幸。通称は仁兵衛(じんべえ)。

志水甚五(2代) しみず-じんご

1620-1710 江戸時代前期の装剣金工。
元和(げんな)6年生まれ。初代志水甚五の子。肥後熊本藩主細川家の抱え工として,装剣金具をつくる。父と同様の鉄鐔(つば)をつくり,「甚五」「永次」の銘をきった。宝永7年1月死去。91歳。名は永次。

志水甚五(3代) しみず-じんご

1691-1777 江戸時代中期の装剣金工。
元禄(げんろく)4年生まれ。3代西垣勘四郎のもとで修業し,家業をつぐ。安永6年死去。87歳。名は永義。志水家は4代永次,5代茂永,6代永典,7代永恭,8代永利とつづいた。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「志水甚五」の意味・わかりやすい解説

志水甚五【しみずじんご】

江戸初期の肥後八代(やつしろ)の鐔(たん)工。通称仁兵衛。平田彦三の甥(おい)と伝える。肥後金工の中では異色の作家として知られ,作品は真鍮(しんちゅう)の据文象嵌(すえもんぞうがん)を施した豪快なもの。
→関連項目鐔/鍔

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「志水甚五」の意味・わかりやすい解説

志水甚五
しみずじんご

[生]?
[没]延宝3(1675)
江戸時代初期の肥後国八代の鐔 (つば) 工。通称仁兵衛,名は一幸。肥後派の志水家の初代。厚手の鉄鐔が多く,鳥獣の真鍮象眼 (ぞうがん) にすぐれる。2代以下の作は「甚五」あるいは「甚吾」と銘を切ってあるが,初代作で甚五銘は発見されていない。

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