志野宗信(読み)シノソウシン

デジタル大辞泉 「志野宗信」の意味・読み・例文・類語

しの‐そうしん【志野宗信】

室町中期の香道家。志野流の祖。磐城いわきの人。通称三郎右衛門三条西実隆に香道を学び、足利義政あしかがよしまさに仕えた。生没年未詳。

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精選版 日本国語大辞典 「志野宗信」の意味・読み・例文・類語

しの‐そうしん【志野宗信】

  1. 室町中期の香道家。志野流の祖。足利義政に仕え、香技の式を大成したという。土蔵宗の一族とされ、子の宗温、孫の省巴は茶人としても名を残す。文亀二年(一五〇二)または文明一二年(一四八〇)没という。

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改訂新版 世界大百科事典 「志野宗信」の意味・わかりやすい解説

志野宗信 (しのそうしん)
生没年:?-1523(大永3)ころ

香道志野流の始祖。号は松隠軒,名は三郎左衛門。嗣子は参雨斎又三郎宗温祐憲,3代目は不寒斎省巴弥二郎信賢。省巴の奥州退去により建部隆勝推挙を受けて蜂谷宗悟が志野流4代目となり,以後蜂谷家が継承している。宗悟の《香道軌範》によると,宗信は足利義政の近習で,歌や茶にもたしなみ深かったという。三条西実隆と宗信等により,香合(こうあわせ),炷継香(たきつぎこう)をもとに香道が創成された。香道史上名高い《五月雨之記》にある香合は宗信邸で催されたと伝えられている。
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朝日日本歴史人物事典 「志野宗信」の解説

志野宗信

没年:大永3.8.1(1523.9.10)
生年嘉吉2(1442)
室町時代の香道家。生年は一説には文安2(1445)年ともいう。志野流の開祖。通称三郎左衛門。号は松隠軒。名香合の隆盛期に活躍したとされるが伝記は不詳。『宗信名香合記』は文亀2(1502)年の三条西実隆の跋文があり,両者交友があったものと推定される。『志野宗信香之筆記』には香道の心得88カ条の記事があるが,史料批判の必要がある。志野流は宗信の子宗温に引き継がれた。宗温は参雨斎とも称し,多数の門弟を持ったが,その流派志野流は弟の宗巴と弟子の建部隆勝に受け継がれ,さらにその門弟の蜂谷家に継承されて今日に至っている。<参考文献>一色梨郷『香道のあゆみ』

(熊倉功夫)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「志野宗信」の解説

志野宗信 しの-そうしん

1442/45-1523 室町-戦国時代の香道家。
嘉吉(かきつ)2/文安2年生まれ。足利義政の近習。三条西実隆(さねたか)とともに香合(こうあわせ)などをもとに香道を創始。文亀(ぶんき)2年(1502)連歌師肖柏らをまねき自宅で名香合をひらく。村田珠光(じゅこう)とも交遊があり,歌や茶にもすぐれた。大永(たいえい)3年8月1日死去。79/82歳。名は以実。通称は三郎左衛門。別号に松隠軒,花香舎。姓は篠とも。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「志野宗信」の意味・わかりやすい解説

志野宗信
しのそうしん

[生]?
[没]文明12(1480).8.18.
香道,志野流の祖。名は以実,通称は三郎右衛門,号は宗信,松隠軒。8代将軍足利義政から香の式を考案するよう命を受け,御香所預の三条西実隆に薫物合 (たきものあわせ) の法を聞いて,牡丹花肖柏,僧宗祇らと相談して定めたといわれる。子は宗温,孫は省巴で,その跡を蜂谷宗悟が継ぎ現在まで続く。

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世界大百科事典(旧版)内の志野宗信の言及

【香道】より

…創成者たちの教養を反映させながら,沈香木の幽佳と文学的主題とが結合した組香という日本独特の試みが香道の中心となるのである。
[流派]
 香道家の伝承では三条西実隆が志野宗信や相阿弥とともに香道創成に尽力したとされている。実隆から三条西家の代々そして烏丸光広など堂上公卿に伝わった流派は10代目に伯家神道白川家学頭猿島帯刀家胤にいたって地下に伝わり,三条西流または御家流と呼ばれた(図a)。…

【結び】より

…平安中期以降,花結びは上流の女性のたしなみの一つとして,和歌や習字などとならんで必須のものとされた。足利義政の時代に香道の志野宗信によって花結びの手法が新しく考案され,それまでは婦女子だけのものであったものが,茶人および香人も必ず知らねばならぬものとなった。基本的なものとして〈あげまき結び〉〈あわび結び〉〈けまん結び〉など数十種をあげることができる。…

※「志野宗信」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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