精選版 日本国語大辞典 「念仏踊」の意味・読み・例文・類語
ねんぶつ‐おどり‥をどり【念仏踊】
- 〘 名詞 〙 盆や仏事に際して、念仏や和讚を唱えながら、鉦や太鼓を打ち鳴らして踊る民俗芸能。踊り念仏ともいう。平安時代に空也上人によって始められたとされ、鎌倉時代には一遍が出て諸国遊行して広めた。その踊りは勇躍歓喜しつつ乱舞したもので、室町時代以降、成仏供養、疫病退散、雨乞い、虫送りなどの行事と結びついて、多くの芸能の母胎となった。歌舞伎の始祖といわれる出雲阿国が踊った小歌踊も、念仏踊りがもとといわれる。念仏風流(ふりゅう)。→一遍・空也念仏。《 季語・秋 》
- [初出の実例]「近年、出雲巫京に来て、僧衣をきて鉦をうち仏号を唱へて、始は念仏おどりといひしに、その後、男の装束し刀を横へ歌舞す、俗にかぶきと名づく」(出典:野槌(1621)下)