怠い(読み)ダルイ

デジタル大辞泉 「怠い」の意味・読み・例文・類語

だる・い【怠い/×懈い】

[形][文]だる・し[ク]《「たるい」とも》
疲れや病気などで、からだを動かすのがおっくうである。かったるい。「高熱全身が―・い」
しまりがない。ゆるい。
「縄ガ―・イ」〈和英語林集成
下髪さげがみの―・い姿」〈浮・男色大鑑・七〉
のろい。不十分である。
「ちっと商ひが―・いと」〈伎・四谷怪談
[派生]だるげ[形動]だるさ[名]
[類語]けだるいかったるい疲れるくたびれる疲れ果てる疲れ切るしんどい気骨が折れる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「怠い」の意味・読み・例文・類語

だる・い【怠・懈】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]だる・し 〘 形容詞ク活用 〙 ( 「たるい」とも )
  2. 疲れて活気がない。おっくうである。たゆい。
    1. [初出の実例]「互跪と云は久しく跪けばたるいほどに、かたかたづつとりかえとりかえ、ひざを地につくるを云ぞ」(出典:百丈清規抄(1462)一)
    2. 「拍子にかかって御恥しい長噺、頤(おとがい)がだるい」(出典浄瑠璃・浦島年代記(1722)二)
  3. しまりがない。きりっとしていない。ゆるい。
    1. [初出の実例]「ちとたるし、せけんにていふ、坊主たらしのめもとにて」(出典:評判記・吉原呼子鳥(1668)ゑもん)
    2. 「下髪のたるひ姿をようは見てゐる事と」(出典:浮世草子・男色大鑑(1687)七)
  4. 遅い。のろい。はかどらない。また、不十分である。
    1. [初出の実例]「是れさ此男中々だるい事見て居る事でないと」(出典:浮世草子・椀久一世(1685)下)
  5. 味が甘く感じる。甘さがしつこい。
    1. [初出の実例]「京坂の人は江戸にて甘味を用ふを、たるしと云て忌之て美食とせず」(出典:随筆守貞漫稿(1837‐53)四)

怠いの語誌

現代語では語頭濁音形の「だるい」が標準形であるが、これが本来の形とは考え難い。方言として、広範囲に「たるい」が分布していること、「疲れる」の意の動詞「たる」が存在すること、「匠材集‐三」に「足たゆく あしたるき事なり」とあることなどから、本来は清音形の「たるし(い)」であったと推定される。

怠いの派生語

だる‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

怠いの派生語

だる‐さ
  1. 〘 名詞 〙

たる・い【怠】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙だるい(怠)

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