草臥れる(読み)クタビレル

デジタル大辞泉 「草臥れる」の意味・読み・例文・類語

くたび・れる【草臥れる】

[動ラ下一][文]くたび・る[ラ下二]
長時間からだや頭を使ったため、疲れて元気がなくなる。「歩きつづけて―・れる」
年老いたり苦労が続いたりして気力若さを失う。「人生に―・れる」「生活に―・れた顔」
衣服などが長く使われたため、古くみすぼらしくなる。「―・れた背広
(他の動詞連用形に付いて)その動作を続けるのが、疲れていやになる。「待ち―・れる」
つかれる[用法]
[類語]疲れる疲れ果てる疲れ切るだるいかったるいしんどい気骨が折れる

くたぶ・れる【草臥れる】

[動ラ下一]くたびれる」の音変化。
三吉はさも―・れているらしく答えて」〈藤村

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「草臥れる」の意味・読み・例文・類語

くたび・れる【草臥】

  1. 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]くたび・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙
  2. 体や頭を使い過ぎて疲れる。疲労する。
    1. [初出の実例]「さまざまのつとめに身もくたびれにけるにや」(出典:古今著聞集(1254)一六)
    2. 「なあにあればかり歩いて草臥(クタビレ)るものかい」(出典:滑稽本・古朽木(1780)一)
  3. ( 特に、動詞の連用形に接続して ) その動詞の示す行為を長時間にわたって行なって、その結果、疲れていやになる。「待ちくたびれる」など。
    1. [初出の実例]「隆円もくちすきほどにかたりくたびれて」(出典:文机談(1283頃)五)
  4. 人が年老いたり、物などが長く使われたりしたために古びてみすぼらしくなる。
    1. [初出の実例]「鏡を見て、くたびれた也。何事をせんするも、年のわかきときのこと也」(出典:中華若木詩抄(1520頃)五)
    2. 「ちと疲労(クタビ)れた博多の帯に」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一)

草臥れるの補助注記

草臥」の字を慣用するのは、「詩経」の鄘風の跋渉に、クサブシ(草臥)ミヅワタル(水渡)とあることによる。〔大言海


くたぶ・れる【草臥】

  1. 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙 「くたびれる(草臥)」の変化した語。
    1. [初出の実例]「くたぶれた・うなぎからさくかば焼や」(出典:雑俳・うき世笠(1703))
    2. 「メリンスに黒繻子の大分憊(クタブ)れた昼夜を、シダラなく締めてゐる」(出典:出産(1908)〈徳田秋声〉)

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