日本歴史地名大系 「恵山貝塚」の解説
恵山貝塚
えさんかいづか
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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北海道南西部、函館(はこだて)市柏野(かしわの)町にある続縄文文化の遺跡。亀田(かめだ)半島の東端にある火山、恵山の南西麓(ろく)に広がる標高約10メートルの海岸段丘上に海水産貝塚や土壙墓(どこうぼ)群がある。1940年(昭和15)名取武光(なとりたけみつ)らが配石を伴う土壙墓19基を調査して多数の土器、石器、垂飾具(すいしょくぐ)などの副葬品を発見し、出土土器群に対して恵山式なる型式名を仮定した。この前後から盗掘が激しくなり、資料はかなり散逸したが、一部は能登川(のとがわ)コレクションとして函館市立博物館に所蔵された。恵山式土器文化は道南部に分布し、縄文晩期大洞(おおぼら)A′式の伝統とともに、東北地方の弥生(やよい)文化との関連をも示す独特な土器文化である。
[菊池徹夫]
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