惣社(読み)そうじや

日本歴史地名大系 「惣社」の解説

惣社
そうじや

[現在地名]西区伊川谷町上脇

川北岸に位置する。祭神可美真手命は物部氏の祖であるので、当社を「延喜式」神名帳にみえる明石郡九座の一社物部もののべ神社に比定する説がある。「兵庫県神社誌」は異説として、「特選神名牒」に載る棟札に「明石郡井川庄伊和坐大名持物部神社」とみえるので、もと大己貴命を祀る社であったが、宇摩志麻遅命を祭神とする物部神社をも祀っていたとする。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

百科事典マイペディア 「惣社」の意味・わかりやすい解説

惣社(総社)【そうじゃ】

国・郡・郷など一定地域内にある神社の祭神を1ヵ所に勧請し祀った神社。総社とも記す。国ごとに設けられた一国の惣社が最もよく知られる。これは国司が管内の諸社に巡拝し幣帛を奉る行為(神拝という)を省くため,平安時代後期に至り,諸社を国衙(こくが)・国府近くに合祀したものとされ,第一義的には国衙における神事執行施設であった。また惣社では国司の着任儀式が行われたことが知られ,国衙行事の重要な施設でもあった。惣社の史料上の初見は,承徳2年(1098年)因幡(いなば)国守に任じられた平時範(ときのり)が,翌3年任国に向かった時の日記《時範記》同年2月条とされ,美作・因幡国境での境迎えの儀や因幡国衙での儀式の次第が記されている。中世近世にもさまざまな地域における惣社の称がみられた。地名化の例として岡山県総社市などがある。
→関連項目神社

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