デジタル大辞泉 「慳貪」の意味・読み・例文・類語 けん‐どん【×慳貪/倹×飩】 [名・形動]1 物惜しみすること。けちで欲深いこと。また、そのさま。「吝嗇で、―で、恥知らずで」〈芥川・地獄変〉2 思いやりのないこと。じゃけんなこと。また、そのさま。「―な口を聞く」「―に物を言う」[名](多く「倹飩」と書く)1 江戸時代、盛り切りで売るうどん・そば・飯・酒など。2 「倹飩箱」の略。[類語]欲張る・むさぼる・がっつく・むさぼり食う・欲しがる・欲の皮が張る・欲深い・欲張り・欲深・貪欲・がめつい・胴欲・強欲・あこぎ・多欲・貪婪・業突く張り 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「慳貪」の意味・読み・例文・類語 けん‐どん【慳貪】 〘 名詞 〙 ( 「慳」は物惜しみをすること、「貪」はむさぼること )① ( 形動 ) けちで欲が深く、無慈悲なこと。思いやりがなく、冷淡なこと。不愛想なこと。また、そのさま。[初出の実例]「慳貪に因りて大蛇に成る縁」(出典:日本霊異記(810‐824)中)「文覚が持つ所の刀は、人を切らんとにはあらず、放逸邪見の鬼神を切り、慳貪(ケンドン)無道の魔縁を払はんとなるべし」(出典:源平盛衰記(14C前)一八)[その他の文献]〔法華経‐方便品〕② ( 倹飩 ) うどん、そば、酒、飯などを売る時、一杯ずつの盛りきりで、代わりを出さないもの。[初出の実例]「道頓堀の水茶屋の、あるいはうどんけんどんのそばできくさへ笑止なり」(出典:浄瑠璃・心中二枚絵草紙(1706頃)中)③ 「けんどんばこ(慳貪箱)」の略。[初出の実例]「外に持運ぶに膳を入る箱はけんどん箱なるをやがてけんとんとばかりいひ」(出典:随筆・嬉遊笑覧(1830)一〇上)④ 「けんどんじょろう(慳貪女郎)」の略。[初出の実例]「けんどんのあげ屋ゆき」(出典:評判記・吉原呼子鳥(1668)ならぬもの) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例