貪る(読み)ムサボル

デジタル大辞泉 「貪る」の意味・読み・例文・類語

むさ‐ぼ・る【貪る】

[動ラ五(四)]《「むさ」は「むさと」と同語源、「ぼる」は「」の意》
飽きることなくほしがる。また、際限なくある行為を続ける。「暴利を―・る」「惰眠を―・る」
がつがつ食べる。「残飯を―・る野良犬
[可能]むさぼれる
[類語]がっつく欲張るむさぼり食う欲しがる欲の皮が張る欲深い欲張り欲深強欲貪欲がめつい胴欲慳貪けんどんあこぎ多欲貪婪どんらん業突く張りもりもり食欲がぶっとがぶりぱくっとぱくりもぐもぐもごもごがつがつぱくぱくばくばくむしゃむしゃ詰め込む大食い食い道楽ぺろっとぱくつくかき込む平らげる食い気食い意地舌なめずりのどが鳴る空腹ぺこぺこ腹ぺこ

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精選版 日本国語大辞典 「貪る」の意味・読み・例文・類語

むさぼ・る【貪】

  1. 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙 ( 「ぼる」は「欲る」の意という )
  2. 欲深く物をほしがる。飽きることなく望み続ける。貪欲に自分のものとする。
    1. [初出の実例]「然れども我豈天下を餮(ムサホラ)むや」(出典日本書紀(720)舒明即位前(北野本訓))
    2. 「朝の露に異ならぬ世を、何をむさほる、身の祈りにか」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)
  3. 欲ばって食べる。がつがつして食べる。むさぼり食う。
    1. [初出の実例]「淵の魚の餌をむさぼるに似たり」(出典:鉄眼禅師仮名法語(1691)二)

むさぶ・る【貪】

  1. 〘 他動詞 ラ行四段活用 〙むさぼる(貪)
    1. [初出の実例]「濫(みた)りかはしく殊の礼を叨(ムサフ)りて」(出典:大唐三蔵玄奘法師表啓平安初期点(850頃))
    2. 「人が、長大にするほどに、我も長大に増めせうと云て、むさぶり競也」(出典:六物図抄(1508))

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