慶庵(読み)けいわん

精選版 日本国語大辞典 「慶庵」の意味・読み・例文・類語

けいわん【慶庵】

〘名〙 「けいあん(慶庵)」の変化した語。
歌謡・松の葉(1703)四・寛濶一休「けけらけいわんててんがう、今時その手を喰(く)んべいか」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「慶庵」の意味・わかりやすい解説

慶庵
けいあん

職業周旋屋の俗称桂庵とも書く。江戸~大正時代の用語。一般には口入(くちい)れ屋と称し、明治以後は雇人請宿(やといにんうけやど)などと公称した。語源としては、17世紀中ごろに慶庵という医者が諸事の仲介をしたのに始まるという説と、慶庵という名の医者が軽薄な追従(ついしょう)を使ったのを周旋人仲人(なこうど)口にかけていい始めたという説とがある。初めは、縁談訴訟仲裁などをも扱ったというが、のちには奉公人の斡旋(あっせん)に限られた。

[原島陽一]

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