成瀬無極(読み)ナルセ ムキョク

20世紀日本人名事典 「成瀬無極」の解説

成瀬 無極
ナルセ ムキョク

大正・昭和期のドイツ文学者,随筆家,劇作家 京都大学名誉教授。



生年
明治17(1884)年1月1日

没年
昭和33(1958)年1月4日

出生地
東京

本名
成瀬 清(ナルセ キヨシ)

学歴〔年〕
東京帝大文科大学独文科〔明治40年〕卒

学位〔年〕
文学博士〔昭和5年〕

経歴
独文学者として、三高、京大、慶大などの教授を歴任。大正10年ドイツへ留学し、12年帰国。昭和6年日本ゲーテ協会を作り、10年会長に就任。代表的な著書に「近代独逸文芸思潮」「疾風怒濤時代と現代独逸文学」「文芸に現はれた人間の姿」などがあるほか、トーマスマンハウプトマンなどの翻訳でも知られる。戦後は横綱審議委員などもつとめた。自伝的著書に「四十歳」「五十歳の男」、戯曲「七十歳の男」がある。没後「無極集」が刊行された。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「成瀬無極」の意味・わかりやすい解説

成瀬無極
なるせむきょく
(1884―1958)

独文学者。本名清。東京生まれ。東京帝国大学独文科卒業。慶大、旧制三高、京大教授を歴任。ドイツ近代戯曲を研究、自らの劇作もある。わが国初期のドイツ文学研究において、吹田順助小牧健夫(たけお)とともに三羽烏(がらす)といわれた。『近代独逸(ドイツ)文芸思潮』『疾風怒濤(しっぷうどとう)時代と現代独逸文学』『懺悔(ざんげ)としての文学』のほか、『面影草(おもかげぐさ)』『無極集』などの著書がある。また、イプセン、ハウプトマンの戯曲の翻訳もある。日本ゲーテ協会会長も務めた。

高橋英夫

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「成瀬無極」の意味・わかりやすい解説

成瀬無極
なるせむきょく

[生]1884.4.26. 東京
[没]1958.1.4. 東京
ドイツ文学者,評論家。本名,清。第一高等学校を経て 1907年東京大学独文科卒業。慶應義塾大学,第三高等学校教授を経て 30年京都大学教授。文学博士。著書『近代独逸文学』 (1921) ,『疾風怒濤時代と現代独逸文学』 (29) など。 31年日本ゲーテ協会の創立に参画,のち会長をつとめた。関西劇団の指導にあたるなど,京都にあって自由主義的学風で第2次世界大戦中の風潮に抵抗した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「成瀬無極」の解説

成瀬無極 なるせ-むきょく

1885-1958 大正-昭和時代のドイツ文学者。
明治18年4月26日生まれ。三高教授をへて昭和5年京都帝大教授。「疾風怒濤(しっぷうどとう)時代と現代独逸(ドイツ)文学」などをあらわし,トーマス=マンやイプセンなどを翻訳。戯曲もかいた。6年日本ゲーテ協会を創立。戦後は慶大教授。昭和33年1月4日死去。72歳。東京出身。東京帝大卒。本名は清。

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367日誕生日大事典 「成瀬無極」の解説

成瀬 無極 (なるせ むきょく)

生年月日:1885年4月26日
大正時代;昭和時代のドイツ文学者;随筆家。京都大学教授
1958年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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