中国、戦国時代の七大強国、すなわち燕(えん)、斉(せい)、韓(かん)、魏(ぎ)、趙(ちょう)、秦(しん)、楚(そ)をいう。燕は現在の河北省、東北地方南部に位置し、薊(けい)(現北京(ペキン)市)に都を置いた。紀元前3世紀初めに強勢を誇ったが、前222年秦に滅ぼされた。斉では、前386年に田氏が君主の位を奪ったことから、春秋時代の斉と区別して田斉(でんせい)ともよぶ。現在の山東省に位置し、臨淄(りんし)(現淄博(しはく)市の東)に都して前4~前3世紀初めに強力であったが、前221年に秦に滅ぼされた。韓、魏、趙は前403年に晋(しん)が分裂してそれぞれ独立してできた国で、いずれも中原(ちゅうげん)にあり、鄭(てい)(現鄭州市の南)、大梁(たいりょう)(現開封市)、邯鄲(かんたん)(現邯鄲市)に都を置いて前4~前3世紀にかけて強勢を競ったが、前230年以降次々と秦に滅ぼされた。秦は現陝西(せんせい)省に位置し、咸陽(かんよう)(現咸陽市)に都を置き、前4世紀中葉の商鞅(しょうおう)の変法以後強力となり、前221年に全国を統一した。楚は揚子江(ようすこう)中流域を領有し、郢(えい)(現荊州(けいしゅう)市)に都を置く南方の強国であったが、前223年秦に滅ぼされた。各国とも中央集権体制を強めながら富国強兵策をとり、権謀術数によって相互に同盟、対立を繰り返した。
[太田幸男]
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