中国,戦国時代の7強国のことで戦国の七雄といい,秦,楚,斉,燕,韓,魏,趙を指す。中原の大国晋が卿(けい)(重臣)によって韓,魏,趙の3国に分割された紀元前5世紀後半になると,東方では権臣田氏が実権を握る斉,北方には旧大国の燕,西方には発展途上の秦,南方には広大な領土を誇る楚の7ヵ国が成立し終わり,世は戦国時代に入る。これら七雄の中でまず大きな発展をとげたのは中原の文明国の魏であり,ついで東方の経済大国の斉であった。これらの諸国に比べると,秦は西方にとり残された後進国であったが,紀元前4世紀の半ばに孝公が商鞅(しようおう)を用いて国政の大改革を行ってしだいに強大となり,東方へ向かって侵略を開始したため,戦国後半期の大勢は秦と他の6国との抗争となった。6国はときには合従して秦に当たり,ときには連衡して秦と結ぶなど,虚々実々の外交策が展開されたが,軍事力と外交術にまさる秦が6国を滅ぼして天下を統一した。
執筆者:永田 英正
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