日本大百科全書(ニッポニカ) 「戸河内」の意味・わかりやすい解説
戸河内
とごうち
広島県西部、山県郡(やまがたぐん)にあった旧町名(戸河内町(ちょう))。現在は安芸太田町(あきおおたちょう)の北西部を占める地域。1933年(昭和8)町制施行。1956年(昭和31)上殿(かみとの)村と合併。2004年(平成16)加計(かけ)町、筒賀(つつが)村と合併、安芸太田町となる。旧町域は、中国脊梁(せきりょう)山地にあり、西部を島根県と接し、太田川上流域を占める。国道186号、191号が通じ、中国自動車道の戸河内インターチェンジがある。JR可部(かべ)線が通じていたが、2003年、同線の可部―三段峡間が廃止、バス輸送に切り替えられている。総面積の約90%が山林で、林業が盛ん。祇園(ぎおん)柿を特産する。太田川河谷沿いに集落が点在する。島根県境の恐羅漢(おそらかん)山や、深入(しんにゅう)山、三段峡(特別名勝)などは西中国山地国定公園の一部。恐羅漢山にはスキー場がある。また、廿日市(はつかいち)市にまたがって国指定天然記念物の押ヶ垰(おしがたお)断層帯がある。
[北川建次]
『『戸河内町史』全7冊(1993~2002・戸河内町)』