手の舞い足の踏む所を知らず(読み)てのまいあしのふむところをしらず

精選版 日本国語大辞典 の解説

て【手】 の 舞(ま)い足(あし)の踏(ふ)む所(ところ)を知(し)らず

  1. ( 「礼記楽記」の「詩経大序」から出た語で、本来は強い感情にうながされ、うたうだけでは足りなくて知らず知らずのうちにおどり出すことをいう )
  2. うれしさにたえられないさま。非常に喜んで有頂天になっているさま。小おどりするさま。欣喜雀躍
    1. [初出の実例]「匡衡跪読瓊篇、不手之舞足之蹈」(出典:江吏部集(1010‐11頃)中)
    2. 「行隆手の舞足の踏ところも覚えず。是はされば夢かや、夢か」(出典:平家物語(13C前)三)
  3. 気持が動転して我を忘れたさま。あわてふためくさま。また、性根を失ったさまをいう。
    1. [初出の実例]「若衆修法等事。火急之時。頗不手舞足踏者歟」(出典:左記(1180か))

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故事成語を知る辞典 の解説

手の舞い足の踏むところを知らず

非常に喜んでいるようすのたとえ。転じて、非常に動転しているようすのたとえ。

[使用例] ヤットの思いで気に入った名前を発見した時のその作家の喜びようといったら、それこそ歓天喜天、手の舞い足の踏むところを知らなかったという[夢野久作*創作人物の名前について|1936]

[由来] 「詩経―大序」の一節から。人間は感情をことばにしますが、それで足りなければ大きい声を上げます。それでも足りなければ歌にうたい、それでもまだ足りないときには、「手の舞い、足のむを知らず(手足が自然に動き出して、踊りだす)」。この文章は、詩歌舞踏がどのように生まれてくるかを述べたものとして、知られています。

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ことわざを知る辞典 の解説

手の舞い足の踏む所を知らず

うれしさにたえられないさま。非常に喜んで有頂天になっているさま。小おどりするさま。欣喜雀躍。

[解説] 「礼記―楽記」などにあることば。本来は強い感情にうながされ、うたうだけでは足りなくて、知らず知らずのうちにおどり出すことをいいます。

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