日本大百科全書(ニッポニカ) 「手稲石」の意味・わかりやすい解説
手稲石
ていねいし
teineite
銅の二次鉱物。1939年(昭和14)吉村豊文(とよふみ)(1905―1990)によって北海道札幌市手稲鉱山から新鉱物として報告された。その後静岡県下田市河津(かわづ)鉱山(閉山)、和歌山県和歌山市内からも発見された。自形は斜方短柱状。最初は含水テルル酸第二銅として記載されたが、1962年含水亜テルル酸第二銅であることが、同構造のセレン置換体のカルコメナイトchalcomenite(Cu[SeO3]・2H2O)との比較によって判明した。命名は原産地にちなむ。
[加藤 昭 2017年9月19日]
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