打払う(読み)ウチハラウ

デジタル大辞泉 「打払う」の意味・読み・例文・類語

うち‐はら・う〔‐はらふ〕【打(ち)払う】

[動ワ五(ハ四)]
たたいたりふるったりして払いのける。「ほこりを―・う」「降りかかる火の粉を―・う」
攻撃して追い払う。「異国船を―・う」
攻めて滅ぼす。
「攻め入りて、同九月三日、やすやすと―・ひてけり」〈愚管抄・五〉
[可能]うちはらえる
[類語]追い出す追い立てる追い払う追っ払うたたき出すはじき出すつまみ出す追い落とす追い散らす蹴散らす駆り立てる退ける追い返す駆逐追放放逐

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「打払う」の意味・読み・例文・類語

うち‐はら・う‥はらふ【打払】

  1. 〘 他動詞 ワ行五(ハ四) 〙
  2. 除き捨てる。叩いたり、横に打ったりして取り除く。
    1. [初出の実例]「わが尾には 霜な降りそと 白たへの 羽さしかへて 宇知波良比(ウチハラヒ) さ寝(ぬ)とふものを」(出典:万葉集(8C後)一五・三六二五)
    2. 「いとしげう侍りし道の草も、すこし、うちはらはせ侍らんかし」(出典:源氏物語(1001‐14頃)宿木)
  3. ちり、くずなどを除き清める。掃いたりふるったりしてきれいにする。
    1. [初出の実例]「真袖(まそで)もち床(とこ)打払(うちはらひ)君待つと居りし間に月かたぶきぬ」(出典:万葉集(8C後)一一・二六六七)
    2. 「二間(ま)なる道場うちはらひ、これへと請じ入れつつ」(出典:曾我物語(南北朝頃)一二)
  4. 打ちかかったり、払ったりして追いのける。払いのける。
    1. [初出の実例]「其の蛇咋(く)はむと将ば、此の比礼(ヒレ)を以て三たび挙(ふ)りて打撥(うちはらひ)たまへ」(出典:古事記(712)上)
    2. 「びしゃもんれんがの面白さに、悪魔降伏うちはらふ鉾を汝にとらせけり」(出典:虎明本狂言・連歌毘沙門(室町末‐近世初))
  5. ( 打払・撃払 ) 銃砲などを撃って敵を追い散らす。
    1. [初出の実例]「大目付え〈略〉、おろしゃ船と見請候はば、厳重に打払ひ」(出典:御触書天保集成‐一〇五・文化四年(1807)一二月)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android