追落す(読み)オイオトス

デジタル大辞泉 「追落す」の意味・読み・例文・類語

おい‐おと・す〔おひ‐〕【追(い)落(と)す】

[動サ五(四)]
下位にあったものが勢力を増してきて、上位のものをその地位から追いやる。「首位の座から―・される」
追って、下の方へ落とす。「敵勢を谷へ―・す」
都から地方へ追い払う。
「入道身を捨てて凶徒を―・し」〈平家・二〉
城兵を追い払って、その城を奪う。
大手、搦め手三方より攻め上って城を―・し」〈太平記・七〉
追いかけて奪い取る。追いはぎをする。
下種げす徳人あらば―・して、若党どもに興ある酒を飲ませて」〈義経記・二〉
[類語]追い出す追い立てる追い払う追っ払うたたき出すはじき出すつまみ出す打ち払う追い散らす蹴散らす駆り立てる退ける追い返す駆逐追放放逐

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「追落す」の意味・読み・例文・類語

おい‐おと・すおひ‥【追落】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. 追って、相手を落とす。
    1. [初出の実例]「平家の大勢をくりからが谷へ追(オヒ)おとさうど思ふなり」(出典平家物語(13C前)七)
  3. 敵を追い払う。敵兵を追い払ってその城を奪い取る。転じて、人をある地位などから引きずりおろす。
    1. [初出の実例]「入道身を捨てて凶徒を追落(オヒオト)し」(出典:平家物語(13C前)二)
    2. 「三方より攻上って城を追落し、宮を生捕り奉るべし」(出典:太平記(14C後)七)
  4. 追いかけて奪い取る。路上で強奪する。
    1. [初出の実例]「年貢正税追落(おヒヲトシ)、〈略〉殺賊強盗して妻子を養ふとこそ聞く」(出典:源平盛衰記(14C前)四二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android