デジタル大辞泉 「揖」の意味・読み・例文・類語 ゆう【揖】[漢字項目] [音]ユウ(イフ)(呉)(漢)両手を胸の前で組み合わせて礼をする。「揖譲/一揖・長揖」 ゆう〔イフ〕【×揖】 1 笏しゃくを持ち、上体をやや前に傾けてする礼。2 中国の昔の礼の一。両手を胸の前で組み、これを上下したり前にすすめたりする礼。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「揖」の意味・読み・例文・類語 ゆうイフ【揖】 〘 名詞 〙① 笏(しゃく)を手にして、上体を前に傾けてする礼。「拝」に次ぐもので、深揖、小揖などがある。また、単に会釈すること。[初出の実例]「凡揖時、不レ垂二面頭一、折レ腰許也、不レ縮レ膝也」(出典:作法故実(1383頃))② 中国古代からある敬礼の一つ。左右の手を胸の前で組み合わせて、これを上下・前後に動かしてする礼。[初出の実例]「揖(イフ)もすますかすまさない内に」(出典:秋山図(1920)〈芥川龍之介〉)[その他の文献]〔周礼‐秋官・司儀〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
普及版 字通 「揖」の読み・字形・画数・意味 揖12画 [字音] ユウ(イフ)・シュウ(シフ)[字訓] えしゃく・おさめる・ゆずる[説文解字] [字形] 形声声符は(しゆう)。〔説文〕十二上に「攘(お)すなり」、また「一に曰く、手、胸に(つ)くるを揖(いふ)と曰ふ」とあり、「攘す」とは、次条に「攘は推すなり」とあって、手を前に組む推手と、手を胸に著ける引手の礼、いわゆる揖譲の礼をいう。〔左伝、昭二十五年〕「子、揖讓旋の禮を問ふ」とあって、賓主の礼は、礼節の重要なものとされた。[訓義]1. えしゃく、むねの前で手を組んで、お辞儀をする、こまねく。2. おさめる、あわせる、さしはさむ、あつめる。3. ゆずる、おす。[古辞書の訓]〔字鏡集〕揖 ユク・ヲサム・クム・ユヅル・ヲカス・ヌスム・ウヤマフ・アハス・カシコマル・アツマル[語系]揖ipは厭iapと声義近く、〔儀礼、郷飲酒礼〕「、介を厭(ひ)く」の〔注〕に「手を推すを揖と曰ひ、手を引くを厭と曰ふ」とみえる。ietは通転の字。粛拝のような拝礼のしかたである。揖にはまたtzipの音があり、集dzipと声近く、あつめ収める意がある。[熟語]揖揖▶・揖客▶・揖謝▶・揖譲▶・揖進▶・揖▶・揖拝▶・揖別▶・揖礼▶[下接語]一揖・拱揖・迎揖・献揖・高揖・坐揖・三揖・受揖・粛揖・進揖・対揖・端揖・長揖・答揖・拝揖・平揖 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報