シフ(読み)しふ(その他表記)András Schiff

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シフ」の意味・わかりやすい解説

シフ(András Schiff)
しふ
András Schiff
(1953― )

ハンガリーのピアノ奏者。ブダペストに生まれ、同地のリスト・アカデミーで学び、1974年のチャイコフスキー国際コンクールで第4位に入賞して世に出た。ラーンキ、コチシュKocsis Zoltán(1952―2016)とともに第二次世界大戦後のハンガリーのピアノ界を担う逸材と評されたが、もっとも成長したのがシフであった。バッハからバルトークまで広いレパートリーをもち、揺るぎない構成を重んじつつ流麗に歌い込んで、さわやかな感興を与える。バッハとモーツァルトに優れ、1977年(昭和52)に初来日した。1989年には室内楽のモントゼー音楽祭を創設、1998年まで芸術監督を務めた。

[岩井宏之]

『デイヴィッド・デュバル著、横山一雄訳『ピアニストとのひととき』(1992・ムジカノーヴァ)』


シフ(CIF)
しふ

CIF

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シフ」の意味・わかりやすい解説

シフ
Sif

北欧神話女神。雷神トルの妻。豊かな黄金の髪の持主で,フレイヤと並んで女神たちのなかで最も美しい。あるときロキによって自慢金髪を夜の間にすっかり刈取られてしまったが,これを知ったトルが激怒したので,恐れたロキは地下の侏儒たちに黄金の生きた髪をつくらせ,それを植えてシフの頭を元どおりにしたという。シフは豊穣の女神で,その金髪は畑の実りを象徴するとみられる。

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