精選版 日本国語大辞典 「操縦桿」の意味・読み・例文・類語
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航空機の昇降舵(だ)および補助翼を動かし、機体を前後左右に傾ける装置。操縦棒ともいう。急激な運動をする曲技機や戦闘機、スペースの狭いグライダーでは棒状の操縦桿を用い、急激な運動を行わない軽飛行機やスペースの広い大型機では、補助翼を動かすのは操縦ハンドルcontrol wheelとなっている。すなわち操縦桿を左右に倒すと機体も左右に傾くが、この操作を操縦ハンドルの回転に置き替えたものである。昇降舵は、操縦桿、操縦ハンドルともに、手前に引くことによって航空機を後ろに、また押すことによって前に傾ける。
また、航空機では操縦しながら他の操作を行うことが多いので、操縦桿や操縦ハンドルには機体の姿勢を調整するトリムスイッチ、無線通信用のスイッチ、軍用機ではこのほか火器の発射ボタン、前脚操向用切り換えボタンなどを備えており、操縦桿から手を放さないでも各種の操作を行うことができる。現在、操縦桿や操縦ハンドルは、操縦士のすぐ前側に取り付けられており、そのために中央部下側の計器が見にくくなるといった欠点がある。そこで操縦系統をコンピュータ化し、操縦桿を操縦士のすぐ脇に取り付け、手首の動きだけで航空機を操縦する形式のものが、しだいに広く用いられる傾向にある。
[落合一夫]
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