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比例計数管 ひれいけいすうかんproportional counter

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

比例計数管
ひれいけいすうかん
proportional counter

放射線のエネルギー損失を測定する装置の1種。放射線による気体電離現象を利用する。通常,円筒形容器の内壁を陰極に,中心軸に張った細い金属線を陽極とし,容器内に PRガス (アルゴン 90%,メタン 10%) などを入れる。両極間に適当な強さの直流電圧を加えておくと,放射線がガスを電離したとき生じる電子と陽イオンとがそれぞれ陽極,陰極に引かれて加速され,ガスの原子に衝突して2次的にイオンをつくる。生じたイオンの総数は放射線が直接つくったイオンの数に比例する。したがって両極間には,放射線の電離損失に比例して増幅された電流が流れる。放射線が円筒内のガスの中で吸収されるときには,放射線のもっていたエネルギーがはかられる。印加電圧が強すぎるとエネルギーの測定に不向きとなり,ガイガー=ミュラー計数管と同様に入射個数の情報しか得られなくなる。

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デジタル大辞泉の解説

ひれい‐けいすうかん〔‐ケイスウクワン〕【比例計数管】

放射線測定器の一。ガイガーミュラー計数管とほぼ同じ構造で、メタンやアルゴンなどの気体を封入した金属円筒を負極、その中心に張った針金を陽極とする。ガイガーミュラー計数管に比べてやや低い電圧をかけ、放射線が入射すると気体が電離され、電場で加速された電子が連鎖的にイオン対を生じる。放射線のエネルギーはイオン対の数と比例するため、電極間の電流を計測することで、放射線のエネルギーを測定することができる。プロポーショナルカウンター

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百科事典マイペディアの解説

比例計数管【ひれいけいすうかん】

構造・配線ともガイガー=ミュラー計数管とほとんど同じで,金属円筒と中心導線の負電圧をそれより低くしたもの。荷電放射線粒子が入射したとき生じる放電電気量は,粒子が電離作用によって経路につくる正負のイオン対の数に正しく比例するのでこの名がある。
→関連項目計数管

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世界大百科事典 第2版の解説

ひれいけいすうかん【比例計数管 proportional counter】

気体の電離(イオン化)を利用した放射線検出器。同様の検出器として,ほかに電離箱とガイガー=ミュラー計数管があるが,これらはおもにその動作の違いから区別されている。電離箱では,放射線による気体の電離で生じたイオン対(電子と正イオン)が過不足なく電極に集められるのに対して,比例計数管では,放射線による電離で最初に生じたイオン対の102~104倍の多数のイオン対が電極に収集される。これは,陽極となっている中心線に比較的高い電圧が加えられているために,その近くに強い電界がつくられていることによる。

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世界大百科事典内の比例計数管の言及

【電離箱】より

…電極間の電圧を増加させると電離した際に発生した電子がガスと衝突して二次電子が発生し,その数は荷電粒子がガス中で失ったエネルギーに比例するので,粒子の計数とエネルギーの推測が可能になる。このような電離箱は比例計数管と呼ばれる。さらに電圧を上げると初期のエネルギー損失に関係なく大量の二次電子が発生するようになるが,このような電離箱はガイガー=ミュラー計数管と呼ばれ,電離作用の弱いβ線などの検出に適している。…

※「比例計数管」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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