政体循環論(読み)せいたいじゅんかんろん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

政体循環論
せいたいじゅんかんろん

ただ1人の有徳者が支配する君主制を出発点として政体は循環するとした論で,ギリシアの歴史家ポリュビオスの説が有名。すなわち君主制は世襲制をとることによって専制政治に陥り,革命によって打倒される。そしてこれに代って貴族制が出現する。だがこれは寡頭支配に堕し,ついに民主制が現れる。しかしこれもまた衆愚政治に陥って行きづまる。その結果再び有徳の君主が支配するようになるというもの。この種の循環論はマキアベリやヴィーユ,さらには 20世紀のシュペングラーや世界システム論にもみられる。

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世界大百科事典 第2版の解説

せいたいじゅんかんろん【政体循環論】

国家の政体は歴史的に循環するという理論。ギリシアの歴史家ポリュビオスが彼の著書《歴史》第6巻でローマの政体を論じたときに提起した説。すなわち一員政(君主政)の政体はやがて悪化して暴君政となり,これを是正するために貴族政が成立するが,それも少数者が権力を濫用する寡頭政に陥る。これを変革して民主政が樹立されるが,それもやがて愚論百出して収拾できない衆愚政に転落する。これを克服するためには優秀な個人の統治が要望され,こうして最初の一員政(君主政)が回復されるとともに,また同様な循環をくり返して停止するところを知らないと説く。

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世界大百科事典内の政体循環論の言及

【政体】より

…アリストテレスの政体論はこれ以後の政体論の範型をなすことになる。 紀元前2世紀のポリュビオスは,君主制が僭主制,貴族制,寡頭制,民主制,衆愚制を経て,再び君主制に戻るという政体循環論によってギリシアの歴史を描き,共和政ローマの安定と発展を,混合政体論によって説明した。伝統的政体論は,これ以後も,政治体制の批判または弁証の枠組みとして生きつづけるが,ローマの帝政化,キリスト教の成立,さらにゲルマン中世の発展と安定の過程で,体制構想と結びついたダイナミズムは失われていった。…

※「政体循環論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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