日本大百科全書(ニッポニカ) 「整理回収銀行」の意味・わかりやすい解説
整理回収銀行
せいりかいしゅうぎんこう
1996年(平成8)、経営が破綻(はたん)した信用組合の事業を引き継いで債権回収を進めるために設立された銀行。1999年住宅金融債権管理機構(HLAC)に統合され、整理回収機構となった。
1996年6月公布・施行された改正預金保険法では、2001年3月までの間、預金保険機構と協定を結び、経営の破綻した信用組合から引き継いだ資産の管理処分(整理回収業務)を行うことをおもな目的とする受け皿銀行を協定銀行として制度化した。これにより、1995年に東京協和信用組合、安全信用組合の旧2信用組合の業務を引き継いで設立された東京共同銀行が、1996年9月に改組されて発足したのが整理回収銀行である。アメリカで、破綻した貯蓄貸付組合(S&L)を処理するため1989年に設けられた整理信託公社(RTC)の日本版ともいえる。資本金は、預金保険機構から新たに1200億円の出資を受けて1600億円に増強し、職員も検察・警察・国税庁出身者らを中心に共同銀時代より大幅に増やした。預金保険機構と一体となって債権回収などを進めていたが、1998年10月の預金保険法改正により、1999年4月から破綻した住宅金融専門会社(住専)の受け皿となっていたHLACに吸収された。
[編集部]