出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
山中峯太郎(みねたろう)のドキュメント・ストーリー。1930年(昭和5)『少年倶楽部(くらぶ)』の4月号から9月号に連載、作者の人気を決定的にした。日露戦争沙河(さか)の会戦が舞台。建川(たてかわ)騎兵中尉を斥候長とする6名の騎兵斥候が、敵状を探る使命を帯び、ひそかにロシア軍の陣内深く潜入し、多くの危険に遭遇しながら役目を果たし、奇跡の生還をする物語。山中峯太郎が、建川中尉と隊員の豊吉(とよよし)軍曹から直接聞いた話を書いたもので、樺島勝一(かばしまかついち)の精緻(せいち)なペン画の挿絵が添えられ雰囲気を盛り上げている。
[二上洋一]
『『愛蔵復刻版少年倶楽部名作全集』(1970・講談社)』▽『『敵中横断三百里』(1975・講談社・少年倶楽部文庫)』
…戦国時代,男に変装した姫君(上原美佐)を護衛して,忠臣の武将(三船敏郎)が,金に目のくらんだ愚かな2人の百姓(千秋実と藤原釜足)をうまく味方につけて,少数のゲリラ部隊のように敵中突破するという,日本映画には稀有(けう)なスケールの大きい骨太の大活劇。〈三悪人〉は,黒沢明の敬愛するジョン・フォード監督のサイレント時代の西部劇の名作の一本《三悪人》を想起させるし,〈敵中突破〉のテーマは,黒沢明がそれ以前に書いていたシナリオ《敵中横断三百里》(1957年,森一生監督によって映画化された)につながる。冒頭の百姓2人組の喧嘩道中は,ジョージ・ルーカス監督《スター・ウォーズ》(1977)の2人組のロボット,R2‐D2とC‐3POのコンビを生みだす原点になった。…
※「敵中横断三百里」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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