山中峯太郎(読み)ヤマナカミネタロウ

デジタル大辞泉 「山中峯太郎」の意味・読み・例文・類語

やまなか‐みねたろう〔‐みねタラウ〕【山中峯太郎】

[1885~1966]小説家児童文学者。大阪の生まれ。少年向け冒険小説で人気を得た。作「敵中横断三百里」「大東の鉄人」など。

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精選版 日本国語大辞典 「山中峯太郎」の意味・読み・例文・類語

やまなか‐みねたろう【山中峯太郎】

  1. 小説家、児童文学者。大阪出身。陸軍大学中退中国の革命運動に参加。大正末期に帰国、女性向け大衆小説、大衆少年少女小説を多数執筆。著作「英子の結婚」「敵中横断三百里」「亜細亜の曙」「大東鉄人」など。明治一八~昭和四一年(一八八五‐一九六六

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「山中峯太郎」の意味・わかりやすい解説

山中峯太郎
やまなかみねたろう
(1885―1966)

小説家、児童文学者。大阪生まれ。3歳のとき1等軍医山中恒斎(こうさい)の養子となり、陸軍幼年学校陸軍士官学校に学ぶ。陸軍大学校に進んだが中退、中国革命軍に投じた。亡命の形で帰国。大衆小説を書くかたわら、数奇な体験を生かして執筆した少年軍事冒険小説が、昭和初年代の少年たちの絶大な人気を得た。作風は押川春浪(しゅんろう)の流れをくむ正統的軍事冒険小説で、日露戦争に材を得た『敵中横断三百里』(1930)、作者の理想像を描いた主人公本郷義昭(ほんごうよしあき)が活躍する『亜細亜(アジヤ)の曙(あけぼの)』(1931~32)などを『少年倶楽部(くらぶ)』に、『見えない飛行機』(1935~36)を『幼年倶楽部』に、『万国の王城』(1931~32)を『少女倶楽部』に連載。第二次世界大戦後『実録アジアの曙』(1962)で文芸春秋読者賞を受賞した。

[二上洋一]

『『少年倶楽部名作選2』(1966・講談社)』『加太こうじ・上笙一郎編『児童文学への招待』(1965・南北社)』『二上洋一著『少年小説の系譜』(1978・幻影城)』『尾崎秀樹著『夢いまだ成らず』(1983・中央公論社)』

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20世紀日本人名事典 「山中峯太郎」の解説

山中 峯太郎
ヤマナカ ミネタロウ

昭和期の作家,児童文学者



生年
明治18(1885)年12月15日

没年
昭和41(1966)年4月28日

出生地
大阪府大阪市

旧姓(旧名)
馬渕

別名
筆名=大窪 逸人,石上 欣哉,山中 未成

学歴〔年〕
陸士卒,陸大卒

主な受賞名〔年〕
文芸春秋読者賞(第22回)〔昭和37年〕「実録アジアの曙」

経歴
大阪の呉服商の二男に生まれるが、陸軍一等軍医山中恒斎の養子に。陸軍士官学校時代から成績優秀で、職業軍人として将来を嘱望されたが、宗教的関心に赴き、大正9年頃から「否」「叛逆の子は語る」などを発表。中国革命問題にも関心を抱き、大正12年軍籍を脱して中国に渡り革命戦に参加した。帰国後、大衆小説、大衆的少年少女小説を多く発表するようになり、大衆小説として「燃える星影」「九条武子夫人」などがあり、大衆児童文学として「敵中横断三百里」「亜細亜の曙」「万国の王城」などがある。晩年の昭和37年「実録アジアの曙」で文芸春秋読者賞を受賞した。

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改訂新版 世界大百科事典 「山中峯太郎」の意味・わかりやすい解説

山中峯太郎 (やまなかみねたろう)
生没年:1885-1966(明治18-昭和41)

小説家,児童文学者。大阪生れ。陸軍幼年学校,陸軍士官学校を経て職業軍人の道につくが,中国革命への関心から請われてそれに参加,帰国後は滝田樗陰知遇をえて《中央公論》などに実録ものを数多く執筆,それとほぼ並行して少なからぬ宗教的著述をものした。昭和期に入り,《少年俱楽部》の要請にこたえて《敵中横断三百里》(1930)を発表,その成功によって《亜細亜の曙》(1931),《大東の鉄人》(1932)をはじめとする児童を対象とした軍事冒険小説を科学的彩りをそえて書きつぎ,当時のナショナリズム感情を刺激した。戦後にも《実録アジアの曙》(1962-63)などがある。
執筆者:

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百科事典マイペディア 「山中峯太郎」の意味・わかりやすい解説

山中峯太郎【やまなかみねたろう】

小説家,児童文学者。大阪生れ。陸軍士官学校卒。1913年中国へ渡り,辛亥革命(第2革命)に参加。帰国後,文筆生活に入る。婦人雑誌に女性向け大衆小説を,雑誌《少年倶楽部》その他に大衆的少年少女小説を発表。大衆小説に《燃える星影》《英子の結婚》など,少年小説に《敵中横断三百里》《大東の鉄人》《亜細亜の曙》《万国の王城》《見えない飛行機》などがある。後者の軍事冒険小説は,当時の少年のナショナリズム感情を刺激し,広く読者を得た。晩年の作品に《実録アジアの曙》がある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「山中峯太郎」の意味・わかりやすい解説

山中峯太郎
やまなかみねたろう

[生]1885.12.15. 大阪
[没]1966.4.28. 東京
小説家。陸軍士官学校を経て陸軍大学校に進んだが,中国の第二革命 (1913) を機として中退,中国へ渡って革命運動に参加した。大正末に帰国後,大衆小説を書きはじめ,特に『少年倶楽部』などを舞台とした大衆児童文学は多くの読者を集め,『敵中横断三百里』 (30) ,『亜細亜の曙』 (31) などで軍事冒険小説の第一人者と目された。若き日の自伝『実録アジアの曙』 (62~63) もある。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「山中峯太郎」の解説

山中峯太郎 やまなか-みねたろう

1885-1966 昭和時代の小説家,児童文学作家。
明治18年12月15日生まれ。陸軍大学校にすすむが,中国第二革命参加を機に文筆に転じ,宗教的作品や大衆小説をかく。昭和5年「少年倶楽部(クラブ)」に発表した「敵中横断三百里」が好評を博し,以後「亜細亜(アジア)の曙(あけぼの)」など少年向けの軍事冒険小説で人気作家となった。昭和41年4月28日死去。80歳。大阪出身。旧姓は馬淵。

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367日誕生日大事典 「山中峯太郎」の解説

山中 峯太郎 (やまなか みねたろう)

生年月日:1885年12月15日
昭和時代の小説家;児童文学作家
1966年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の山中峯太郎の言及

【敵中横断三百里】より

山中峯太郎の実録小説。1930年(昭和5)《少年俱楽部》に連載,他の短編と合わせて講談社より刊行。…

※「山中峯太郎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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