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細胞質遺伝 さいぼうしついでん cytoplasmic inheritance

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

細胞質遺伝
さいぼうしついでん
cytoplasmic inheritance

核以外に存在する遺伝子によって支配される遺伝。核外遺伝染色体外遺伝ともいう。母性遺伝などの非メンデル性遺伝を行い,正逆交配によって F1 に現れる形質が一定でないことが多く,細胞質内に細胞質遺伝子があるとして説明される。

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デジタル大辞泉の解説

さいぼうしつ‐いでん〔サイバウシツヰデン〕【細胞質遺伝】

細胞質に存在する遺伝因子(核外遺伝子)によって、親の形質が子に伝わること。母性遺伝の一つ。受精の際に精子の細胞質はほとんど失われるため、母親の形質だけが遺伝する。原因となる遺伝子は、細胞核ではなく、ミトコンドリア葉緑体など細胞質内の小器官に含まれているため、メンデルの法則には従わない。染色体外遺伝。核外遺伝。→非メンデル遺伝

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百科事典マイペディアの解説

細胞質遺伝【さいぼうしついでん】

細胞質中の遺伝因子によって生じる遺伝。とくにミトコンドリアや葉緑体のDNAによって支配される遺伝をいう。核内遺伝子とはちがって,母親の卵細胞を通じて形質の伝達が行われるため,メンデルの法則に従わない。

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栄養・生化学辞典の解説

細胞質遺伝

 非メンデル遺伝で,染色体以外に存在する遺伝情報.例えばミトコンドリアやプロトプラスト,細胞内のウイルス遺伝子などが複製され伝播されること.

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世界大百科事典 第2版の解説

さいぼうしついでん【細胞質遺伝 cytoplasmic inheritance】

細胞の核を除く細胞質部分,とくにミトコンドリアや色素体のような細胞小器官organelleに存在する遺伝子とそれに支配される形質の遺伝を細胞質遺伝という。核外遺伝と同義に用いられることもあるが,厳密には核外遺伝は細胞質遺伝と感染遺伝の総称である。 真核生物の細胞では,核・ミトコンドリア・色素体(植物のみ)のような細胞内の各種小器官はそれぞれ2層の膜に包まれており,互いに分化した機能をもっている。核には細胞DNAのほとんどが局在しており,遺伝情報を保存し,複製し,かつ転写する機能を担っている。

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大辞林 第三版の解説

さいぼうしついでん【細胞質遺伝】

細胞質中の遺伝子による遺伝現象。色素体やミトコンドリアなどに含まれる核酸による遺伝。核外遺伝。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

細胞質遺伝
さいぼうしついでん

細胞質中にある遺伝子に支配される形質の遺伝。核外遺伝あるいは染色体外遺伝ともいう。細胞質遺伝の様式はメンデルの法則に従わず、母親の形質のみが子孫に伝えられることから、母性遺伝とよぶこともある。遺伝子の本体はDNA(デオキシリボ核酸)であり、主として細胞の核にあるが、細胞質中の葉緑体、ミトコンドリア、ゴルジ体のような小器官にも少量含まれている。このような細胞小器官のDNAは細胞質遺伝子として、核の遺伝子とは独立に複製され、細胞質遺伝形質の発現に働く。有性生殖のとき、卵細胞など雌性配偶子は細胞質をもつが、精子などの雄性配偶子は細胞質をもたないか少量しかもたず、受精卵の細胞質は雌性配偶子に由来することが多い。したがって、細胞小器官のもつDNAに支配される子孫の遺伝形質はつねに雌親と同じものとなり、分離がみられず、遺伝様式は非メンデル遺伝となる。
 葉緑体遺伝子に突然変異がおこった斑入(ふい)り植物の例では、全緑雌×斑入り雄の交雑からは全緑株のみが得られ、その逆交雑の斑入り雌×全緑雄からは主として斑入り株が得られる。このように雌雄の形質を入れ替えて正逆交雑を行ったとき、異なる分離がみられるのが細胞質遺伝の特徴である。プチーとよばれる呼吸欠損性の酵母は、酸素呼吸ができず発酵により成育し、小形集落をつくる。プチーはミトコンドリア遺伝子の突然変異体であり、呼吸欠損性は細胞質遺伝形質の好例とされている。
 細胞小器官以外に細胞質中に自己増殖性の粒子があり、細胞質遺伝の原因となることがある。ゾウリムシの例では、DNAを含むカッパ粒子をもつものはほかのゾウリムシを殺すキラーとなるが、キラー形質は細胞質遺伝をする。このような細胞質粒子は細胞質に寄生したウイルスや細菌に由来するものと考えられている。細胞質にウイルスや細菌が感染することにより細胞質遺伝と類似の現象を示すことがあるが、このような場合は、普通、感染遺伝として区別される。
 細胞質内で染色体とは別個に自己増殖することができる構造体はプラスミドと総称される。プラスミドのもつ遺伝子は細胞質遺伝子として働く。プラスミドを分離して人工的に各種の遺伝子を連結し、細胞質中に再導入し発現させる技術は遺伝子のクローン化といわれ、遺伝子工学分野で盛んに用いられている。[石川辰夫]

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世界大百科事典内の細胞質遺伝の言及

【遺伝】より


[遺伝の様式]
 ふつうの生物,すなわち真核生物の場合,遺伝子は核と細胞質の両方に存在している。核に存在する遺伝子を核内遺伝子または単に遺伝子というのに対し,細胞質中の遺伝子を細胞質遺伝子またはプラズマジーンという。核内遺伝子およびこれに支配される形質は原則として両親性の遺伝を行い,メンデルの法則に従って後代に伝わる。…

【核外遺伝】より

…しかし,生物は核内遺伝子以外にも遺伝因子をもつ。その一つはミトコンドリアや色素体のような細胞小器官に存在するその生物固有の遺伝子で,細胞質遺伝子とよばれる。細胞質遺伝子およびこの遺伝子に支配される形質の遺伝を細胞質遺伝という。…

【母性遺伝】より

…父(雄)親の遺伝子が関与せず,母(雌)親の遺伝子だけで子どもの表現型が決定される遺伝様式をさし,細胞質遺伝と遅発遺伝delayed inheritanceに分かれる。 遅発遺伝は母親の遺伝子型が直接子どもの表現型を決定するもので,したがって雑種第2代では表現型の分離が起こらず,第3代にもちこされるためにこう呼ばれる。…

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