20世紀日本人名事典 「新居格」の解説
新居 格
ニイ イタル
大正・昭和期の評論家,社会運動家 元・杉並区長;日本ユネスコ協会理事。
- 生年
- 明治21(1888)年3月9日
- 没年
- 昭和26(1951)年11月15日
- 出生地
- 徳島県
- 学歴〔年〕
- 東京帝大政治科卒
- 経歴
- 読売新聞、大阪毎日新聞、東洋経済新報などの記者を経て、12年文筆生活に入る。アナキズムの立場で、社会評論から文芸評論まで幅広く活躍。13年には安部磯雄らと日本フェビアン協会を結成、14年には日本プロレタリア文芸連盟にも参加した。同年「文芸批評」を創刊。黒色青年連盟などの運動にも協力、文化学院の教授もつとめた。昭和初期には「モボ」「モガ」などの新語をつくって流行させた。戦後の昭和23年、東京・杉並区長選に立候補して当選、杉並を理想的な文化地域にしようと数々の改革に手をつけたが、現実とのギャップに在職1年足らずで辞職。だが、在職中は区議らと1度も宴席を共にせず、一方、手がけた生活協同組合運動はその後の住民運動のさきがけとなった。著書に「左傾思潮」「月夜の喫煙」「季節の登場者」「アナキズム芸術論」「区長日記」、訳書にパールバック「大地」、スタインベック「怒りの葡萄」などがある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報