新番(読み)シンバン

デジタル大辞泉 「新番」の意味・読み・例文・類語

しん‐ばん【新番】

江戸幕府職名。江戸城内に交替で勤め、将軍出行のさい先駆け・警衛をした役。近習番きんじゅばん新御番しんごばん

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精選版 日本国語大辞典 「新番」の意味・読み・例文・類語

しん‐ばん【新番】

  1. 〘 名詞 〙 江戸幕府の職名。寛永二〇年(一六四三創置。若年寄支配。土圭(とけい)の間近くに詰め、将軍外出時に先駆をつとめるもの。新御番近習番
    1. [初出の実例]「のこるぶんは、壱万石以上五十四人、御書院番百九十九人、新番二十三人、御たい所八十三人なり」(出典:仮名草子・武蔵あふみ(写本)(1661)上)

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改訂新版 世界大百科事典 「新番」の意味・わかりやすい解説

新番 (しんばん)

江戸幕府番方番方・役方)の職制。1643年(寛永20)創置。五番方の一つ。当初は近習番と称したともいう。土圭間番(とけいのまばん)も別称というが,本来別個のものといえようか。《落穂集》の記事によると,大奥の女中の願いにより,その縁者が召し出されて,新たにつくられたものという。しかし,この説は後年のいくつかの事例に基づいたものと推測され,実際には大番,小十人の両組から選抜された組衆によって成立したものであった。定数は8組(ときに増加あり)。各組に番頭1人(若年寄支配,役高2000石,役料なし,布衣,中之間詰),組頭1人(頭支配,役高600石,御目見以上,桔梗間詰),組衆20人(頭支配,役高250俵,御目見以上)があった。1866年(慶応2)廃止となる。番頭・組頭は勤仕並寄合,組衆のうち壮年の者は遊撃隊,そのほかの者は銃隊に編入された。日ごろ,殿中の新番所に勤番し,将軍出行の際には前駆を任務とした。また城中紅葉山霊屋の参詣,吹上御成のときは,将軍の近辺警護し,鷹狩りにも供奉した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「新番」の意味・わかりやすい解説

新番
しんばん

江戸幕府の職名。当初,近習番ともいい,寛永 20 (1643) 年に設置され,将軍の警護を職掌とした。慶応2 (1866) 年廃絶。 (→番方 )

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