(1) 1930年代の世界恐慌を起因とする保護主義,近隣窮乏化政策と,(2) 第2次世界大戦後のアメリカを中心とするグローバリズムが後退し,各国間の通貨,通商をめぐる経済的摩擦が表面化してきた 70年代の経済ナショナリズムの台頭とをさす。 (旧) 重商主義が貴金属の蓄積を国富の基本とし,国家権力による産業保護,輸入抑制・輸出促進策をとったのに対し,新重商主義は経済成長鈍化,失業,インフレーション,国際収支赤字を解消するために自由貿易主義を放棄し,保護貿易主義をとる経済ナショナリズムの動きである。なお新重商主義という言葉は,1965年に「新しい重商主義」 The New Mercantilismと題して行なった J.V.ロビンソンのケンブリッジ大学教授就任講演に由来する。