新重商主義(読み)シンジュウショウシュギ

デジタル大辞泉 「新重商主義」の意味・読み・例文・類語

しん‐じゅうしょうしゅぎ〔‐ヂユウシヤウシユギ〕【新重商主義】

neo-mercantilism》18世紀末以降、フランス・アメリカ・ドイツなどが採った保護貿易政策
new mercantilism》第二次大戦後、先進諸国が経済ナショナリズム傾向をもち、貿易収支黒字にしようとこぞって努めてきた政策。重商主義に似ていることから、J=ロビンソンによって名づけられた。

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精選版 日本国語大辞典 「新重商主義」の意味・読み・例文・類語

しん‐じゅうしょうしゅぎ‥ヂュウシャウシュギ【新重商主義】

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] neomercantilism の訳語 ) 一九世紀末に現われた保護貿易などの国家の経済干渉政策で、現象的に重商主義と類似しているところから呼ぶ語。重商主義が原始的蓄積政策であったのに対し、独占資本の政策である点で基本的性格が異なる。また、第二次世界大戦後、先進工業諸国がとった経済成長政策をさすこともある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「新重商主義」の意味・わかりやすい解説

新重商主義
しんじゅうしょうしゅぎ
new mercantilism

(1) 1930年代の世界恐慌を起因とする保護主義,近隣窮乏化政策と,(2) 第2次世界大戦後のアメリカを中心とするグローバリズムが後退し,各国間の通貨通商をめぐる経済的摩擦が表面化してきた 70年代の経済ナショナリズム台頭とをさす。 (旧) 重商主義が貴金属の蓄積を国富の基本とし,国家権力による産業保護,輸入抑制・輸出促進策をとったのに対し,新重商主義は経済成長鈍化,失業インフレーション,国際収支赤字を解消するために自由貿易主義を放棄し,保護貿易主義をとる経済ナショナリズムの動きである。なお新重商主義という言葉は,1965年に「新しい重商主義」 The New Mercantilismと題して行なった J.V.ロビンソンのケンブリッジ大学教授就任講演に由来する。

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