旋毛(読み)ツジ

デジタル大辞泉 「旋毛」の意味・読み・例文・類語

つじ【旋毛/×辻】

《「つむじ(旋毛)」の音変化》
つむじ」に同じ。
二つばかりの子の、鼻垂れて、頭の―ゆがうで」〈浮・諸艶大鑑・二〉
いただき。てっぺん
「―のぬけたる葛笠つづらがさかづき」〈浮・織留・二〉

つむじ【旋毛】

毛が渦巻き状に生えているところ。頭頂にあるものをいう。毛渦もうかつじ

せん‐もう【旋毛】

渦を巻くように生えている毛。つむじげ。

つむじ‐げ【旋毛】

つむじの毛。せんもう。

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精選版 日本国語大辞典 「旋毛」の意味・読み・例文・類語

つじ【旋毛・辻】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「つむじ」の転 )
  2. 人の頭の髪がうずまきのように巻きめぐって生えているところ。また、その毛。つむじ。〔名語記(1275)〕
    1. [初出の実例]「二つ斗の子の鼻たれて、あたまの辻(ツヂ)ゆがふで」(出典:浮世草子・好色二代男(1684)二)
  3. 馬などで、うずまきのように生えた毛。また、その所。
    1. [初出の実例]「御馬は管領より進上のかはら毛、但辻あるによって」(出典:常徳院殿様御馬召初らるる事(1473))
  4. 物の突起した頂、頂点。てっぺん。
    1. [初出の実例]「野風秋の小袖(ゆるし)にして惣鹿子、此辻(ツジ)をひとつびとつ紙燭にてこがしぬき」(出典:浮世草子・好色一代女(1686)一)
  5. つむじかぜ(旋風)」の略。

つむじ【旋毛】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 頭頂にある毛が集中して放散性の渦状になっている部分の俗称。霊長類では一般に二個のつむじをもっているが、人の場合には個人差がある。右巻のものが左巻よりやや多く、頭頂の右方にかたよっている場合が多い。中央にあるものは比較的少ない。つじ。〔東南院文書‐天平勝宝二年(750)九月一四日・奴婢見来帳〕
  3. 人体の頭頂。頭のてっぺん。百会(ひゃくえ)
    1. [初出の実例]「此仕切りがつむじを通り過して後ろ迄食み出して居るのがある」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉六)
  4. ( 形動 ) (が頭頂の中心にない者は意地が悪いという俗説から)いじわるなこと、また、そのさまにいう人形浄瑠璃社会の隠語
    1. [初出の実例]「つむじ(いぢわる)なしんばめ(ばば)を引裂て木の股へかけるやら」(出典:滑稽本・浮世床(1813‐23)二)

つじ‐げ【旋毛】

  1. 〘 名詞 〙 馬の毛で、渦のように巻いているもの。つじ。
    1. [初出の実例]「背は龍の如にして、四十二の辻毛(ツジゲ)を巻て」(出典:太平記(14C後)一三)

つむじ‐げ【旋毛】

  1. 〘 名詞 〙 つむじの毛。せんもう。
    1. [初出の実例]「舅の旋毛剃てからしれ」(出典:俳諧・高点部類(1775))

せん‐もう【旋毛】

  1. 〘 名詞 〙 うずを巻いた毛。逆さまにはえている毛。つむじげ。つむじ。〔五国対照兵語字書(1881)〕 〔埤雅‐釈馬〕

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普及版 字通 「旋毛」の読み・字形・画数・意味

【旋毛】せんもう

つむじ。

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