国指定史跡ガイド 「日光杉並木街道」の解説
にっこうすぎなみきかいどう【日光杉並木街道】
栃木県日光市今市、鹿沼市にある総延長37kmの杉並木。指定名称は「日光杉並木街道 附並木寄進碑(つけたりなみききしんひ)」。日光に向かう例幣使(れいへいし)街道(鹿沼~日光市今市)、御成(おなり)街道(宇都宮~今市)、会津街道(大桑~今市)と、これらの街道が合流する日光街道(今市~日光市山内)の4つの街道に沿って植えられており、近世に発達した街道としての歴史的な意義と自然景観のうえでも重要とされ、1922年(大正11)に国の史跡に指定された。徳川家康から家光までの3代に仕えた松平正綱が、2代将軍秀忠による日光東照宮創建とその遷宮を記念して植樹したのがはじまりで、その後3代将軍家光による日光東照宮の大改修を挟み、1625年(寛永2)ごろから約20年かけ、熊野山の杉苗を植え東照宮に寄進した。松平正綱の嫡男・正信が建立した杉並木寄進碑が4ヵ所に残り、寄進碑もあわせて、1952年(昭和27)に特別史跡、1954年(昭和29)には名称変更され、さらに天然記念物に指定された。その後何度か追加指定があった。日光市今市の歴史民俗資料館に関係資料が展示されている。JR日光線今市駅から車で約15分。