日川(読み)ひかわ

日本歴史地名大系 「日川」の解説

日川
ひかわ

塩山市の大菩薩だいぼさつ(二〇五六・九メートル)を頂点とする連嶺を水源として南流し、嵯峨塩さがしお鉱泉を下って大和やまと村の天目てんもく(木賊山)西部を流れる。棲雲せいうん寺付近から下流の渓谷を竜門りゆうもん峡と称し、焼山やけやま沢を合せ、さらに大蔵おおくら沢を合流して竜門滝となる。田野たの鉱泉付近で西に流れを変えて景徳けいとく院付近であめ沢を、鶴瀬つるせ笹子ささご川を合せ、勝沼かつぬま柏尾かしお深沢ふかさわ川を合流、勝沼を経て山梨市一町田中いつちようたなかの南西でおも川とともに笛吹川に合流する。三日みつ川またはにつ川ともよばれ、三日血みつかぢ川の別名がある。流路延長二八・四キロ。一級河川。川名は天正一〇年(一五八二)三月、武田家滅亡にまつわる激戦に由来し、三日川の名は「甲斐国志」に「武田勝頼大ニ奮戦シテ死ス、河水血ヲ流ス事三日不止因テ名ヅク」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「日川」の意味・わかりやすい解説

日川
ひかわ

山梨県の甲府盆地東部を流下する笛吹川(ふえふきがわ)の支流。「にっかわ」ともよばれる。大菩薩嶺(だいぼさつれい)付近に源流をもち、断層線に沿って花崗閃緑岩(かこうせんりょくがん)地帯を南に流れ、JR中央本線甲斐大和(かいやまと)付近に達し、西に流れを転じ、日川扇状地を形成、笛吹市一宮(いちのみや)町田中付近で笛吹川に合流する。流域甲州(こうしゅう)市勝沼(かつぬま)町地区をはじめとするブドウの産地である。中流田野(たの)から天目(てんもく)山にかけては武田勝頼(かつより)終焉(しゅうえん)の地として知られる。また嵯峨塩(さがしお)温泉、田野温泉などもあり、ハイキングコースとしても知られている。

吉村 稔]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

事典・日本の観光資源 「日川」の解説

日川

(山梨県甲州市)
ふるさとの水辺百選指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報

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