勝沼(読み)かつぬま

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

勝沼
かつぬま

山梨県東部甲州市南西部の旧町域。甲府盆地東端に位置する。 1896年町制。 1954年菱山村,東雲村,祝村の3村と合体。 2005年塩山市,大和村と合体して甲州市となった。中心集落の勝沼は笛吹川の支流日川の扇状地上にあり,近世には甲州街道宿場町で,甲府盆地の東の出入口として重視された。ブドウの栽培は 12世紀にさかのぼるといわれ,「勝沼や馬子もぶどうを食ひながら」と松尾芭蕉も詠んでいる。明治時代までは米作と養蚕が主産業であったが,ブドウ栽培への転換が進み,日川の扇状地と背後の斜面一帯にはブドウ園が広がる。在来の甲州ぶどうのほか,デラウェアをはじめ多種類のブドウを産し,ワイン醸造も盛ん。観光ブドウ園が多い。柏尾の大善寺本堂は国宝に,等々力の勝沼氏館跡は国の史跡に指定されている。

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大辞林 第三版の解説

かつぬま【勝沼】

山梨県甲府盆地東縁にある、甲州市の地名。近世、甲州街道の宿場町。甲州ブドウの中心産地。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

勝沼
かつぬま

山梨県中央部東山梨郡にあった旧町名(勝沼町(ちょう))。現在は甲州(こうしゅう)市の南西部にあたる。旧勝沼町は1896年(明治29)町制施行。1942年(昭和17)等々力(とどろき)村を編入。1954年(昭和29)菱(ひし)山、東雲(しののめ)、祝(いわい)の3村と合併。2005年(平成17)塩山(えんざん)市、大和(やまと)村と合併して甲州市となる。JR中央本線、国道20号、411号が通じ、中央自動車道勝沼インターチェンジがある。旧町域は古くからブドウの産地として名高い。江戸時代には甲州街道の宿場町で、笹子(ささご)峠を西下した旅人の甲府盆地の玄関口にあたっていた。また、戊辰(ぼしん)戦争で近藤勇(いさみ)の率いる幕軍が官軍によって敗れた柏尾坂古戦場跡(かしおざかこせんじょうあと)もある。笛吹(ふえふき)川の支流の日川(ひかわ)や田草川の扇状地上にのっており、耕地の99%が果樹園であり、そのうち約80%がブドウである。ぶどう酒の醸造も盛んで地元の中小工場のほか、近年は県外の大手資本の工場も進出してきている。観光化も著しく、ブドウ狩り用の観光園が国道沿いに立ち並ぶ。眺望のよい中央本線勝沼ぶどう郷駅前の丘陵上には「ぶどうの丘」がある。毎年10月第1日曜日には「ぶどうまつり」が行われ、夜には鳥居焼(とりいやき)という京都の大文字送り火に似通った行事も行われる。大滝山不動尊や大善寺(だいぜんじ)があり、大善寺の本堂は国宝。[横田忠夫]
『『勝沼町誌』(1962・勝沼町)』

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