おもにキリスト教会が、日曜日や祝祭日に青少年を集めて宗教教育や一般教育を行うことをいう。すでに中世から安息日の典礼の一環として日曜日の宗教教育は大人、子供に施されていたが、現在の日曜学校の起源は、18世紀に始まったプロテスタント教会の教育活動にあるといえる。1780年イギリスのグロスターでロバート・レイクスRobert Raikesが、産業革命によって増加した工場労働者の青少年に、宗教教育や一般教育を施す目的で開設したことに始まる。日曜学校は次いでアメリカ、ドイツに伝わった。日本では、1907年(明治40)プロテスタント教会により日本日曜学校協会が設立され、1920年(大正9)第8回世界日曜学校大会が、大隈重信(おおくましげのぶ)を会長とし、井深梶之助(いぶかかじのすけ)らのきもいりで、東京の帝国劇場において開催されたが、宮内省からの下賜金もあって大成功を収めた。1942年(昭和17)には日本基督(キリスト)教団に日曜学校局が開設され、組織的発展が図られた。一方、伝統的に「公教要理」(カテキズム)の教授説明という形式で、曜日に関係なく宗教教育を行っていたカトリック教会でも、1919年(大正8)ごろから信者、求道者の子弟を対象に、日曜学校が設けられている。現在、全キリスト教会の日曜学校は組織、教授法、内容が多様で同一には論じがたいが、青少年の宗教教育、実践を図るという所期の目的は変わることがない。
[磯見辰典]
キリスト教会が子どもの信仰教育のために日曜日に開く学校。イギリスの印刷業者レイクスRobert Raikesが1780年に,年少労働者のために開設したのが最初といわれるが,それは主として読み書きを教えるものであった。今日では信仰教育を主とする教育の場となり,礼拝および分級というプログラムで,信徒が教師となって教える。日本プロテスタント教会の伝道のために重要な効果を上げた。第2次大戦後,教会の教育という意味を強調して,教会学校と呼ぶところが多くなった。また仏教寺院でも行うところがある。
執筆者:加藤 常昭
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…子ども会の原形は,古くは村落共同体の子供組や子供衆などの慣習的な子ども集団の中にみることができる。明治末期から大正時代にかけて,資本主義経済の発展にともなう地域社会の変化と学校の校外指導の強化により慣習的な子ども集団は衰退するが,宗教団体による日曜学校の普及やボーイ・スカウト,ピオネールなど目的的な少年団体,組織が紹介される中で,子ども会に対する教育・文化面での意義が自覚された。しかし,軍国主義の台頭とともに,1932年文部省訓令〈児童生徒ニ対スル校外生活指導ニ関スル件〉によって小学校を単位とする学校少年団づくりが促進されたため,自由で多様な子ども会の性格は失われ,41年には大日本青少年団へと一元的に統合された。…
…É.デュルケームの《道徳教育論》(1925)は宗教教育をほどこさなくても子どもが道徳的な社会存在・人間になることを論じたものである。 産業革命期に入ったイギリスでは,18世紀末から19世紀初頭にかけて日曜学校運動が展開された。これはR.レークスの提唱になるものであるが,労働者子弟の道徳的退廃・非行を宗教教育によって防止することを目的に展開されたもので,その後性格を変えてアメリカでも展開されていった。…
※「日曜学校」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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