日本評論(読み)にほんひょうろん

改訂新版 世界大百科事典 「日本評論」の意味・わかりやすい解説

日本評論 (にほんひょうろん)

正しくは〈にっぽん〉と読み,日本評論社が発行した月刊総合雑誌。同社が1926年に創刊した総合雑誌《経済往来》を,通巻号数は引き継いで35年10月号から改題菊判主幹は43年まで室伏高信。阿部知二〈風雪〉などの問題作を掲載した。44年,戦時統制により《経済評論》と改題したが,敗戦後46年4月号より復題して,ドキュメンタリーの手法を駆使したルポや,占領軍政策批判にまで踏み込む〈時の動き〉などで新生面を開き,新しい総合雑誌といわれた。だがそのためGHQから2度の弾圧を受け,編集陣を切り崩されて51年6月号で休刊(1956年に別の出版社から同名の雑誌が1冊出た),そのまま廃刊となった。小説では森田草平《細川ガラシャ夫人》などがあった。
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1919年に茅原茂の創立した出版社。本社東京。第2次大戦前には末弘厳太郎編《法学全集》,本庄栄治郎編《日本経済史辞典》,河合栄治郎の著書などを多数出版。25年茅原の死後鈴木利貞(1887-1967)が社長となって《経済往来》を創刊。戦後も社会科学関係の学術書を多数出版するが,52年5月に破産して日本評論新社となる。63年旧名に復帰月刊誌法律時報》は戦前の1929年創刊以来続いており,《経済評論》(《日本評論》が46年に復題するにあたり,別の雑誌として創刊)も続いている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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