日米安全保障協議委員会(読み)ニチベイアンゼンホショウキョウギイインカイ

デジタル大辞泉 「日米安全保障協議委員会」の意味・読み・例文・類語

にちべい‐あんぜんほしょうきょうぎいいんかい〔‐アンゼンホシヤウケフギヰヰンクワイ〕【日米安全保障協議委員会】

日米安保条約に基づいて、安全保障基盤をなす問題について検討する閣僚級の会合。日本の外務大臣防衛大臣、米国の国務長官国防長官の4閣僚によって構成され、両国政府間の相互理解の促進や安全保障分野における協力関係の強化に貢献する重要な問題について協議する。これまでに在日米軍再編、日米防衛協力のための指針ガイドライン)、共通戦略目標などについて合意・確認が行われてきた。2+2ツープラスツーSCC(Japan-U.S. Security Consultative Committee)。
[補説]安全保障問題に関する日米政府間の主な協議の場として、ほかに日米安全保障高級事務レベル協議SSC)、防衛協力小委員会SDC)、日米合同委員会がある。

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関連語 在日米軍再編

日本大百科全書(ニッポニカ) 「日米安全保障協議委員会」の意味・わかりやすい解説

日米安全保障協議委員会
にちべいあんぜんほしょうきょうぎいいんかい

日米安全保障条約第4条に基づき、1960年(昭和35)1月19日の岸首相・ハーター国務長官の往復書簡によって設置された委員会で、日米安保関係の最高の協議・議決機関。条約第4条の随時協議、「有事」協議、条約第6条の実施に関する交換公文に基づく事前協議を行うほか、日米「両政府間の理解を促進することに役だち、及び安全保障の分野における両国間の協力関係の強化に貢献するような問題で安全保障問題の基盤をなし、かつ、これに関連するもの」についても検討できるとされている。

 メンバーは、日本側は外務大臣を主宰者として防衛庁長官(現防衛大臣)、米側は駐日米大使を議長として太平洋軍司令官(在日米軍司令官が代理となることも可)によって構成されていた。1990年(平成2)12月26日に書簡交換がなされ、それに基づき、米側の構成員を国務長官と国防長官に格上げした。現在は日米双方2人ずつの閣僚によって構成されており、日米安全保障協議委員会は略称の「SCC」とよばれるか、「2プラス2」と俗称されている。なお、1997年9月ニューヨークのSCC会合において「日米防衛協力のための指針」(新ガイドライン)が合意された。

[松尾高志]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日米安全保障協議委員会」の意味・わかりやすい解説

日米安全保障協議委員会
にちべいあんぜんほしょうきょうぎいいんかい
Security Consultative Committee; SCC

日本の外務大臣,防衛大臣,アメリカ合衆国の国務長官,国防長官の 4閣僚が構成する,防衛協力についての協議機関。2プラス2,SCCなどと略称される。日米安全保障条約4条などを根拠とし,日米両政府間の理解の促進や安全保障分野の日米協力にかかわる問題などについての協議を行なう。1960年1月,日米安全保障条約の署名と同時に設置され,第1回の委員会は同 1960年9月に開催された。開催時期について規定はなく,近年はおおむね 1~2年に一度ほどの頻度で開催されている。当初,アメリカ側は駐日アメリカ大使,太平洋軍司令官または在日アメリカ軍司令官が参加していたが,1990年に国務長官,国防長官に格上げされ,協議の重要性が高まった。これまで日米防衛協力のための指針(ガイドライン),在日アメリカ軍の再編,在日アメリカ軍駐留経費負担思いやり予算)などについて協議され,合意がなされた。同様の趣旨の会合として,次官・局長級レベルの日米安全保障高級事務レベル協議が定期的に開催されている。

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世界大百科事典(旧版)内の日米安全保障協議委員会の言及

【日米安全保障条約】より

…この結果,アンポ,ゼンガクレンの名称が世界的に有名になった。
[日米軍事協力の進展]
 新条約の運用は,日本首相とアメリカ大統領間の日米首脳会談をはじめ両国政府要人間の会談,日米安全保障協議委員会(1960年以降。日本側は外務大臣,防衛庁長官ら,アメリカ側は駐日大使,太平洋軍司令官ら),日米安全保障事務レベル協議(1967年以降。…

※「日米安全保障協議委員会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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