日韓議定書(読み)ニッカンギテイショ

デジタル大辞泉 「日韓議定書」の意味・読み・例文・類語

にっかん‐ぎていしょ【日韓議定書】

明治37年(1904)日露開戦とともに、日本韓国の間に締結された協約。韓国の安全のためとして、戦争遂行に必要な諸便宜を韓国が提供すると約したもので、日本の韓国植民地化の第一歩となった。

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精選版 日本国語大辞典 「日韓議定書」の意味・読み・例文・類語

にっかん‐ぎていしょ【日韓議定書】

  1. 明治三七年(一九〇四)、日本のロシア宣戦(日露戦争)とともに、日本と韓国の間に交換された議定書。韓国内での日本軍の自由な行動権利などを獲得、日本の韓国植民地化の第一歩となった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「日韓議定書」の意味・わかりやすい解説

日韓議定書
にっかんぎていしょ

1904年(明治37)2月23日、駐韓公使林権助(ごんすけ)と韓国外部大臣署理李址鎔(りしよう)が調印した議定書。日露(にちろ)開戦に際し戦禍の及ぶのを避けるため局外中立を図ろうとした韓国を、日本は自国支配下に置き対露作戦基地にしようとした。そのため、韓国の独立と領土保全および王室の安全を保障するかわりに、韓国領土内における日本軍の行動の自由と、軍略上必要な土地収用を韓国に承認させた。これで韓国全土は日本軍に制圧されることになった。また議定書は韓国の施政の改善に関し日本の忠告をいれると定め、韓国内政に日本政府が介入する道を開いた。併合に至る韓国植民地化への一連条約の最初のものである。

藤村道生

『山辺健太郎著『日韓併合小史』(岩波新書)』

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百科事典マイペディア 「日韓議定書」の意味・わかりやすい解説

日韓議定書【にっかんぎていしょ】

1904年2月ソウルで調印された日本・韓国(大韓帝国)間の協約。1904年1月,大韓帝国は日露開戦に備え,局外中立を宣言,イギリス,フランスなど列強はこれを支持したが,日本はこれを無視し,2月,仁川に日本軍を上陸させ,さらに漢城(ソウル)に進駐して協約を結ばせた。大韓帝国の領土と皇室の保全をうたうものの,日本の日露戦争遂行上必要な便宜と土地の提供を韓国に義務づけ,韓国政府は施設改善に関し日本政府の忠告を入れることと規定。日本の韓国保護国化の第一歩となった。→日韓協約
→関連項目日韓併合

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日韓議定書」の意味・わかりやすい解説

日韓議定書
にっかんぎていしょ

日露戦争開始にあたり,1904年日本と韓国間に取りかわされた政治的,軍事的協定書。中立宣言国韓国に上陸した日本軍はソウルに駐兵,同年2月 23日公使林権助が外相李址鎔を買収,他の閣僚を強迫して結んだ。その内容は,日本の介入による施政改善,韓国の独立と領土保全の保障,内乱や第三国の朝鮮侵害には日本が介入,日本の軍事行動の便宜保障や軍用地の任意利用,この協定の違反になるような協約を第三国と結ばないなどで,これに対し朝鮮民衆は反対運動を起し,中枢院も動揺,李址鎔邸などに投爆があった。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「日韓議定書」の解説

日韓議定書
にっかんぎていしょ

1904年(明治37)2月23日,日露開戦直後に日韓間に結ばれた全文6条の文書。日本が武力制圧下で政治的・軍事的支配の第一歩を実現しようとしたもの。これによって日本は韓国を対露戦争に引き込み,韓国の内政への干渉権を掌握し(施政改善に関し日本の指導下におき),日本軍の駐留権を得るとともに,韓国での日本の「自由行動」を認めない条約を韓国が他国と結ぶ権利を剥奪した。

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