野菜類の栽培法の一つで,春先の低温期に加温あるいは保温など人為的な保護のもとで育成した苗を,露地に定植して栽培する方式をいう。露地に定植した後もしばらくビニルトンネルで保護するトンネル早熟栽培と,晩霜の恐れがなくなってから露地に定植する普通早熟栽培とに区別される。呼び方は異なるが,水稲における早期栽培あるいは早植栽培にほぼ相当するものとみてよい。周年供給を行う野菜類には各種の作型の分化がみられるが,早熟栽培による収穫物は,ふつうの露地栽培のものに比べて早めに,また,生育の大部分あるいは前半を保護条件下におく促成栽培や半促成栽培のものに比べて遅めに出荷される。キュウリの出荷時期の一例を示すと,促成栽培11~2月,半促成栽培3~6月,早熟栽培5~7月,露地栽培6月以降といった順となる。早熟栽培には保護施設への投資が少なくてすむという利点もある。
執筆者:山崎 耕宇
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
… 施設園芸は,ガラス温室やプラスチックハウスなどによって自然環境条件を制御し,作物が本来生育しにくい不利な場所や時期に生産を行う技術・経営である。その発展を日本についてみると,油紙トンネルの被覆や油障子フレームによって作期を早める南西暖地の〈早熟栽培〉や〈不時栽培〉から,建材や被覆資材(ガラス,プラスチックフィルム)などの開発・普及に伴って,プラスチックハウス,ガラス温室による〈促成栽培〉や〈抑制栽培〉が発達し,他地域へ普及すると同時に,ハウス構造の多様化と施設整備の高度化がみられた。加温・暖房技術も,以上の発展に伴って,稲わら・落葉などの醸熱材料を利用した温床から,重油燃焼による加温器や換気装置を備えた近代的な施設への発達がみられる。…
…野菜や花などを普通よりも早く生産するための栽培法。早出しの程度によって,促成栽培,半促成栽培,早熟栽培に分けることもある。この場合の促成栽培とは全生育期間をハウス内で栽培することをいい,半促成とは生育の後半にハウスの被覆をとって露地で栽培することをいう。…
※「早熟栽培」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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